最後の授業

最後の授業が終わり、ゼミ生たちと食事をした。飲み会が2日続いていたので、今日は一次会だけにして、9時前には帰ろうと思っていたら、店に行きがてら「今日は、ゼミの先輩たちが11人も来るんです」とゼミ長が言ってきた。

私には秘密のサプライズ企画だったようで、現役生と卒業生が連絡を取り合って、亜細亜大学での“教員生活”を労おうと集まってくれたのだ。卒業生からは日本酒を2本、現役生からは花束をもらった。

6年間、ツーリズムのゼミを担当した。観光の歴史、現状、仕組み、ツアー企画、マーケティングなどを講義したが、忙しくて授業準備ができず、本を題材にしてはその場凌ぎの授業をしてきてしまったと反省している。

6年間で彼らとモンゴル、ネパール、知床、小笠原へ研修旅行に行き、3.11後の復興支援で釜石、宮古、石巻へも訪れた。最初にモンゴルへ行った時には、成田空港に集合した女子学生から「本当にモンゴルへ行くんですか?」。おいおい今からチェックインするんだぜ。ところが、帰国するときには、「帰りたくない!」と大化けした。若いということだろう。順応力の高さが眩しかった。

ネパールでは、村でホームステイし、雨によって半分水につかった村のグランドで泥だらけのサッカー交流を村の若者たちと行った。釜石でも知床、小笠原でも自炊生活をしたが、料理のできなさにはたまげた。それでも、自分たちで飯を作るのは楽しいものだ。小笠原は、4年生の一人が卒業と同時に母島へ移住し今も島で生活している。彼らは、授業は覚えていなくても旅の話だけは覚えている。

“自律し自立する”。何回もそう教えてきた。
“集団の力に頼るな。個人で強くなれ。批判なんか気にするな。好きなものが判らないのは、好きになり方を知らないからだ。考えて拘ってとことんやれば必ず面白くなって好きになる。仕事は自分で面白くするものだ。面白い仕事なんて転がってはいない。本を読め。”

そんなことばかり言ってきたような気がする。

が、私は、学生に感謝している。この6年間で随分本を読んだ。途切れがちだった読書の習慣が復活した。読書は、読めば読むほど次々に読みたい本が出てくる。もう途切れることはないだろう。

結局、帰宅は0時を過ぎてしまった。きっと彼らは、その後も飲んで誰かのアパートに泊まり込んでいるに違いない。やっと肩の荷が一つ下りたとほっとして寝床についた。

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