映像の世紀

テーマは「人間の罪と勇気」。コンセプトは「映像に語らせる」。1955年に始まったNHKの「映像の世紀」は、そのテーマとコンセプトが明確だ。音楽は加古隆作曲の「パリは燃えているか」。これを聴くと冒頭の画面一杯に散りばめられた白黒歴史映像が目に浮かぶ。

もちろん、あの音楽も耳から離れない。ヒトラーが“敵に渡すくらいならすべて焼いてしまえ”という命令を破ってパリを守ったドイツ軍将校が存在した。そのイメージを加古隆は音楽にしたのだろうが、「映像の世紀」が始まるときに最初のテスト映像をみて、激しさを加えて曲を完成させたそうだ。罪を悔いるだけでなく勇気をもって闘うことを表現したかったのだろう。

今週、6月27日に映像の世紀バタフライエフェクトを観た。内容なキューバ危機。ある程度は、知っていたつもりだったが、緊迫したJFケネディーの顔が何回も出てくる。JFケネディー大統領がキューバに建設中のソ連のミサイル基地の事実を知ってからの13日間のキューバ危機が、秘蔵映像で語られる。JFケネディーが狙撃されるシーンはやはり衝撃的である。

以前も、ここに書いたが、B29で日本を無差別空爆したカーチスルメイが空軍参謀総長で登場する。キューバへの先制攻撃でミサイル基地を空爆しようと強硬に主張するルメイと、それをすれば全面核戦争になると考え衝突を回避しようとするJFケネディー大統領の確執が手に取るようにわかる。まさに映像の力だ。以前にも書いたが、このカーチスルメイが、自衛隊の発展に寄与したとして1964年12月7日に入間基地で、勲一等旭日大綬章を受けている。これだけは“何故?”と首を傾げる。

JFケネディーは、最終的に、フルシチョフの「キューバからミサイル基地を撤去する代わりにトルコの米国のミサイル基地を撤去しろ」という交換条件をのんでキューバ危機を乗り切るが、その決断を支えたのはコードネームHEROと呼ばれたロシア人スパイである。もちろん、スパイだから見方は色々あるだろうが、その勇気にはただただ感心する。

実は、先週も、「砂漠の英雄と百年の悲劇」を観た。映画「アラビアのロレンス」は、その背景を知らないとただの英雄映画になってしまう。もちろん、映画の中でもロレンスは苦しむが、裏切り行為に対してというだけではこの映画は理解できない。映像の編集にそれなりに意図があるのだろうが、その点を考慮しても、この番組は、活字とは違うリアリティーがある。NHKの味方をするわけではないがオンデマンドを申し込もうと思う。

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