通り過ぎていくラサの秋 [LHASA・TIBET]

すっかりご無沙汰の駐在日記ですが、いよいよ再開です!

三週間ぶりのラサ。
秋真っ只中、と言いたいところだが、ラサは秋の中を全速力で通り過ぎていっているような気がする。
それほどラサの秋は短い。

ポタラの裏の池

ポタラの裏の池

ポタラ宮殿の北側には小さな池があり、その池の周囲には公園が広がっている。 一昔前まではチベット人のリンカ(ピクニック)の場所として集いの場であったが、数年前整備され、昔の独特の雰囲気が損なわれてしまった。 僕など外国人の目からみると、「いらんことをしやがって」と思ってしまうのだが、地元チベット人の印象は決して悪くはないようだ。 巡礼路の一部ともなっているこの公園は、「歩きやすくなった」「きれいになった」との評判をよく聞くのである。

この公園、ルカン公園には、ポプラ(だと思う)がたくさん植えられている。
昨日ふらっと散歩に行ったが、黄色く染まった葉が青空に映えて非常に美しかった。
ポタラ宮殿の北側で日陰となっていること、そして池のあることなどから、気温が他の場所よりもやや低いようで、秋の到来もこの場所がラサ市内で一番早いのではないか。

ポタラとポプラ

ポタラとポプラ

「秋の到来」といえば、ラサの巡礼者の数も増えている。

先日、サムイェー寺に参拝してきた風のお客さんが語ってくれた。
「あの巡礼ボートでの出来事は、この先20年、思い出すたびに私を幸せな気分にしてくれるでしょう」。

何があったのか。

「巡礼ボート」とは、ヤルンツァンポ河の対岸にあるサムイェー寺へ参拝するときに乗る船のことである。 上のお客さんがその船に乗り込んだ時、田舎からやって来た数十人以上ものチベタン巡礼者がひしめきあっていたそうだ。 青空の下、酔っ払いながら歌を歌いながら、遠景に黄色くなったポプラ並木を見ながら、ゆっくり水の上を滑っていく。 体をくっつけながら、お菓子を分け合いながら、自然にあの賑わいの一員となってしまうのだ。

秋冬のチベットの魅力。
それは巡礼者の数、空の青さと比例して、大きくなっていく。
これからその季節がはじまるのである。

Daisuke Murakami

10月21日
(ラサの)天気 晴れときどき曇り
(ラサの)気温 1~13度 
(ラサでの)服装 昼間はシャツ、フリース、セーターなど。 夜はフリース、ジャンパー、コートなど。晴れの日は日差しがとてもきつくなるので、日焼け対策は必須。空気は非常に乾燥しています。この季節、雨は降ることは少ないですが、雨具は念のため持ってきたほうがいいでしょう。