モロッコの赤・青・黄・緑 〜光と影と、色彩の国〜(2008年12月)

2008年12月27日〜2009年1月4日  文●竹嶋友(東京本社)

空の「青」と、大地の「赤」、そこにモロッコ雑貨の色鮮やかな「色彩」。そして、日の出、日の入り時に「光と影」が作り出す美しいシルエット。

一度訪れた旅人は、そのあまりにも強烈な色彩・印象が目に焼きついて離れません。
私が同行したのは、風のモロッコの人気コースである「モロッコ周遊メディナの世界と砂漠紀行9日間」を逆回りで巡るコース。モロッコ滞在中の大晦日には、「2009年初日の出」ならぬ、「2008年最終日の出」を砂漠で迎えるおまけ付です。今回の報告は、日程の流れを追いながらというよりも、旅の中で出会った強烈な視覚的インパクトをそのままみなさんにも感じていただきたい。そう思いました。

そんな訳で、モロッコの魅力を、「赤」・「青」・「黄」・「緑」の色彩に分け、順番にお伝えしていきたいと思います。さぁ、まず始めは、モロッコの「赤」です。




モロッコの「赤」


旧市街の“味見大歓迎”な
果物屋さん

モロッコで赤といえば、まず国旗が赤ですよね。今回旅行中に国王が私たちが通る道と同じ道を通る機会が多く、道端の家々にモロッコの赤い旗が沢山掲げられていました。
モロッコを旅していると、国旗以外にも「モロッコ=赤」という印象を受けます。その大きな理由の一つにモロッコの大地の色が全体的に赤い色をしているからでしょう。モロッコの代表都市の一つマラケシュは市外を囲む城壁を代表に町全体の赤さから「赤い街」という愛称でも親しまれています。
さらに、今回の旅のハイライトであるベルベル式のテント泊をしたサハラ砂漠・メルズーガの砂丘でも、朝日に染まる赤い砂に皆さん“うっとり”な時間でした。


燃えるようなフェズの朝焼け

メルズーガの赤い砂丘を
ラクダで往く



モロッコの「青」


青空に映えるアイト・
ベン・ハッドゥの青年

モロッコの青と言われてまず思い出すのは、「青の街」の呼び名で親しまれている古都フェズもそうですが、やはり空の青です。みなさんが海外に旅に出て、帰国後思い出す光景には様々あるでしょうが、その中でも空の青さの印象というのは強烈に残っている場合が多いのでは。モロッコもそんな魅力的な空を持つ国の一つ。モロッコの空の青が頭に残るのは大地の「赤」とのコントラストが、より一層青を引き立たせているからでしょう。今回モロッコ滞在中は曇り空の日も多く、なかなか青空を眺めるチャンスも多くなかったですが、それでもここぞと言うときに、モロッコの空は全力の青空を見せてくれました。


早起きして砂丘から見る
日の出を目指す

モロッコの大手ガソリンスタンド
会社の1つ



モロッコの「黄(橙)」

モロッコの黄(橙)といえばやっぱり、オレンジジュース!
モロッコは地中海に面しているということもあり、オレンジやスモモ、イチジクなどおいしいフルーツが沢山とれます。特にマラケシュ滞在中の朝、フナ広場のジューススタンドで飲んだ、搾りたて100%オレンジジュースは私の今までの人生の中で堂々のKing ofオレンジジュースに躍り出るほどの美味しさ。みなさんにも是非味わっていただきたい逸品です。
一方、マラケシュやフェズの新市街では、夜になるとナトリウムランプの街灯黄色い光でぼんやりと街を照らし、モロッコの街並みにとても馴染んでいて幻想的。この街並みを歩いて、モロッコを舞台に数々の映画が撮影されたことにも納得です。


街灯で浮かび上がるフェズの新市街

冗談抜きで美味しいオレンジジュース


モロッコの「緑」

モロッコの緑はミントティー。旅の途中、何回飲んだだろうなぁ。とにかく、家庭や街のガソリンスタンドから高級レストランまでどこに行っても必ず置いてある国民的飲み物。中国緑茶に新鮮なミントの葉を「どばっ」と入れて煮出し、砂糖を加えて、はい!出来上がり。
砂糖を沢山入れるのがモロッコ流ですが、我々日本人は砂糖控え目くらいが丁度良い甘さでとてもおいしい。モロッコにご旅行の際は必ず口にするでしょう。私もモロッコ支店の自称「ミントティー淹れ奉行」と豪語するスタッフから直々に淹れ方を伝授してもらいました。今度日本でも挑戦してみよ。
話は変わって、モロッコの緑といえばやはりイスラムの緑。今回訪れた先でモスクや宮殿を訪問しましたが、壁面やミナレットに美しく施される緑色が、モロッコがイスラム文化圏であることを思い出させてくれます。


曇り空の下、カサブランカの
ハッサン2世モスク

癖になるミントティ


モロッコにはあなたの期待を超える“色”が必ずあるはずです。鮮やかな色彩と光と影が作り出す美しいシルエットを是非感じてみて下さい。
そして、あなただけの素敵なモロッコ色を見つけてみてはいかがでしょうか。