添乗報告記

添乗報告記●【ジープで行く】禁断の王国・ムスタン探訪10日間(2018年8月)

 

旅人が憧れの地、かつての「ムスタン王国」。
ジープ道が開通し、わずか10日間でいけるようになった「禁断の地」を8名のお客様と訪ねてきました。

3日目、ポカラからジョムソンのフライトが悪天候のためキャンセルになり、急遽陸路でジョムソンを目指します。折からの大雨の影響でわずか150km程の道のりに12時間。翌日もジョムソンからローマンタンの移動はわずか100km足らずの道を14時間もかかりました。

泥だらけの道を進むジープ
泥だらけの道を進むジープ

しかし、「河口慧海の後継者」を自認する我々一行はそんなことではへこたれませんでした。泥の中を流れるように進むジープに、お客様は「ジェットコースターよりも楽しい!」「ドライバーの運転技術がすごすぎる」とトラブルを前向きに楽しむ余裕があり、添乗員としては大変助かりました。

かつての「ムスタン王国」の都ローマンタン
かつての「ムスタン王国」の都ローマンタン

そして、ようやくたどり着いたムスタンの「王都」ローマンタン。朝起きると放牧へ出かける山羊や牛が通りを占領し、道の脇を流れる水路では近所のおばちゃんたちが洗濯をし、お寺ではたくさんの僧侶が勉強に励んでいます。道の両脇には土を撞き固めた白壁のチベット風の家屋が建地並びます。自動車が走り、携帯電話にインターネットも普及した現代ですが、数十年、数百年変わらない風景に、一瞬、中世の時代にタイムスリップしたような錯覚にとらわれます。電気も十分でなく、夜になると外灯がまったくないので、20mも先は漆黒の闇と化します。城壁内に残る寺院には、中世に描かれた密教壁画が美しく残されていて、その価値は「世界遺産級」といっても過言ではないでしょう。さらに、ダイナミックな赤い崖と深い谷、大地を美しくピンクに染めるソバの花、晴れれば夏でもその雄姿を見せるヒマラヤの白い峰など、道中の大自然の景観の美しさもすばらしいものでした。

  • ムスタンの「入り口」 チェックポストのあるカグベニ
  • カグベニの北の門に立つ守護神「ポ」
  • カグベニ北門の「ポ」と対になる南門にひっそりたたずむ守護神「モ」
  • チュクサンで鉄の橋を渡ります
  • グル・リンポチェが倒した魔女の腸がマニ壁となり、肺と血が大地を赤く染めたと言う(ガミ)
  • ガミ村のソバ畑に出た虹
  • ガミの村も山羊が占領中
  • 河口慧海も滞在したツァラン村
  • 河口慧海も滞在したツァラン村
  • ツァラン村の北に立つ塔門
  • リンゴの収穫を見ていたら「食べていきな」と手渡された(ツァラン)
  • かつての「ムスタン王国」の都ローマンタン
  • かつての「ムスタン王国」の都ローマンタン
  • 水汲みにきていた姉妹(ローマンタン)
  • ゲストハウスの中庭で織物をする女性(ローマンタン)
  • ローマンタンの町を「占拠」する山羊の群れ
  • 道端で子守をするおばあちゃんたち
  • 店番のお母さんと背中の子供
  • ローマンタンで医学校を開くアムチ・テンジンさん
  • 医学校の子供たち 将来はアムチか?
  • 医学校では女の子も学んでいました
  • 城壁の中でクリケットに興じる子供たち(ローマンタン)
  • ナムギャル僧院の小坊主立ち
  • お坊さんに抱っこされた赤ちゃん
  • ローマンタンの郊外にあるジョンケイブはかつての瞑想窟
  • 中に入ることもできます
  • 「太陽の洞窟」と言う意味のニプゴンパは、ムスタンの名僧が開いた瞑想窟
  • ローマンタン・チャンパラカンの壁画
  • ローマンタン・チャンパラカンの壁画
  • 帰路、ようやくニルギリが見えました
  • 帰りのフライトからはヒマラヤが顔を出しました
  • ジョムソンからのフライトから見えたダウラギリ
  • カトマンズのボダナート
  • 河口慧海はここボダナートからチベットへ向け出発したそうです
  • 朝のお勤めにもお邪魔しました

しかし、そんなムスタン最大の魅力は、現代社会からこれだけ隔絶した地であるにも関わらず、人々が穏やかに、平和に暮らしていることだと言っても過言ではないでしょう。人々の暮らしは決して豊かではありませんが、食べ物が十分にあると感じられ、街はきれいに掃き清められ、人々の表情は明るく楽しそうです。「もっと長く滞在したい、できればここで暮らしたい!」去り際に参加された方がそんな言葉を漏らしましたが、恐らくその言葉に参加者全員が同意したのではないでしょうか?
本当に桃源郷のようで、忘れられない旅となりました。