
緑に包まれる夏のポタラ宮
「チベットっていつ行けばいいの?」「いつがベストシーズンなの?」
お客様からよく聞かれる質問ですが、チベットには季節ごとにそれぞれの魅力があり「1年中がシーズン」と言ってもよいでしょう。ご旅行の目的に合わせ時期を選びましょう。
チベット高原は標高が高いため、年間を通じて非常に乾燥していますが、日本と同様に春夏秋冬の四季があります。また四季とは別に、大きく6月下旬~9月上旬の雨期と、それ以外の長い乾期に分かれます。
緯度は日本の奄美大島と同じくらいなので紫外線の強烈な日差しが照りつけますが、標高が高いため夏でもそれほど気温は上がらず夏は避暑地として人気があります。冬は極寒のイメージがありますが、実は
また「1日の中に四季がある」といわれるほど、昼夜の寒暖の差が極端に大きくなります。
以下は主にラサ周辺についての解説です。
春(3月後半〜6月前半)
徐々に暖かくなり、寒さも和らぎ、雨も少ない旅行に適したシーズン。それでも朝夕は防寒具必携です。春は乾燥しており、風が強い日が多く、チベットで巻き上がった砂埃が風に乗って日本まで届くほど。草木が少しずつ芽吹き始め、桃や山桜などの花が咲き始める時期でもあります。郊外に出ると畑を耕す様子などが見られることもあります。


夏(6月後半〜9月上旬)
雨期で朝夕はスコールのように雨が降ることが多いが、終日雨が降っていることは稀。空には雲がかかり、雪山の展望は期待できない。日中はTシャツで過ごせるほどだが、雨が降ると気温が一気に下がり、フリースなどの防寒具が必要。雨具は必携。草原は美しい緑に色づき、各地で祭が開かれる。観光客、巡礼者とも多くラサが最もにぎやかな季節。
夏のチベットを訪れるべき3つの理由
夏のチベットを訪れるべき3つの理由



緑豊かな瞑想の聖地ダク・イェルパ(夏)
秋(9月中旬〜11月)
雨期が終わり、チベットらしい青い空が戻ってきますが、日に日に気温が下がってきます。とは言え、日中は日本と変わらないくらい暖かく過ごせます。街道の街路樹が紅葉・黄葉し、空気が澄んでくるので郊外へヒマラヤの山々を見に行くには最適なシーズンです。夏の収穫を終えた農民や、山を下りてきた遊牧民たちが巡礼に出掛ける時期でもあり、チベットが一番美しくなる季節と言っても過言ではないでしょう。

ラサ郊外の農村の黄葉

ロンブク僧院からのチョモランマ(8848m)
冬(12月〜3月前半)
夜の気温は氷点下に下がりますが、日中は日差しが強烈でそれほど寒くはありません。雨や雪はほとんど降らず、乾期の中でも極端に乾燥する。晴天率が高いのでチベットらしい青い空が広がり、チョモランマなどのヒマラヤの雪山を見に行くには良い時期です。中国人の観光客や出稼ぎの労働者と入れ替わりに、農閑期に聖地を目指す巡礼者がラサの街にやってきて、最もチベットらしさを味わえる隠れたベスト・シーズンです。

【特集】魅力あふれる 冬のチベット

この時期、ジョカン寺前でも大勢の巡礼者がお参りしています
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各地の気温と降水量