シルクロードだより 第49便 鉄のアショト王(アルメニア)

今週はアルメニアから写真が届きました。

鉄のアショト王が戦いで掲げた十字架(アルメニア エチミアジン教会)


私「これは、何ですか?これが噂のロンギヌスの槍ですか?」
A氏「違います。これは『鉄のアショット王』の異名を持つ9世紀、王として、将軍として活躍したアルメニアの王様が掲げて戦った十字架です。」

私「ほー! そういえば、アルメニアで一番人気のある歴史上の人物って誰ですか?」
A氏「うーん、ティグラン大王かしら。」

話を聞くと、紀元前のころ、アレキサンダー大王の帝国が崩壊・分裂して後、西アジアを席巻していたパルティアの混乱に乗じて、領土を拡大、アルメニアを現在のシリアを占領。地中海からカスピ海、黒海と3つの海に通じる大王国にのし上げた人物だそうです。(おそらく当時がアルメニアの最大版図)。

やはり、どの国にも英雄がいるものなんですね。モンゴルのチンギスハーンしかり、ウズベキスタンのティムールしかり、イランのキュロス王しかり、中国は始皇帝か? それとも信(キングダムから)か?誰だ?

話戻って、アショット王とは、その後、東ローマに降伏し、ペルシャに侵略され、アラブ・アッバース朝に支配されながら、9世紀後半、王が不在のアルメニアを取りまとめ、アッバース朝支配下ながら、東ローマ帝国にも王位を認められた人物だと。ここにバグラト朝が創建され、アルメニア中興の時代が始まったとのこと。セヴァン湖(現アルメニア)、ワン湖(現東トルコ)、ウルミエ湖(現西イラン)の3つの湖に通じる、これまた大領土を回復し、イスラム支配下にもかからわず、精力的にキリスト教教会が建設されたそうです。

そのバグラト朝時代に建てられた教会がこちら。アクダマル島は現在トルコ領のワン湖にあります。

がけっぷちに建てられたタテヴ修道院、その景観は圧巻

がけっぷちに建てられたタテヴ修道院、その景観は圧巻


風光明媚で知られるワン湖にあるアクダマル島(トルコ)

風光明媚で知られるワン湖にあるアクダマル島(トルコ)

イスラム教支配下で、キリスト教の王が王位を認められる・・・実はこの辺が私のよくわからないところで、それだけイスラム王朝は他民族、他宗教に寛容だったということでしょうか・・・そうであってほしい。

複雑なアルメニアの歴史と教会の関係も興味が尽きません。そんなアルメニアを訪ねる旅があります。

世界で最初にキリスト教を国教にした国

アルメニアの絶景と歴史と神秘をめぐる8日間

出発日設定2025/06/14(土)~2025/10/01(水) ワイン祭り見学
ご旅行代金501,000円~557,000円
出発地東京、東京 5/20現在2名様お申込

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