【バードウォッチングツアー添乗報告記】
11/23発 伊豆沼・蕪栗沼のガンと猛禽類2日間

ツアー名:伊豆沼・蕪栗沼のガンと猛禽類2日間

2019年11月23日(土)~11月24日(日)
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)


 伊豆沼・蕪栗沼バードウォッチング 1日目

雨予報の中、スタートしました。

まずはシジュウカラガンがよく見られるポイントへ。一通り回り、いないなぁと諦めた頃、約70羽の群れを発見! 時折、警戒して頸を上げながらしきりに採餌する姿を見ることができました。白い頬と頸輪模様が印象的です。近くの水路ではカワラヒワの亜種オオカワラヒワが群れで水浴びをしていました。

シジュウカラガンシジュウカラガン

続いて蕪栗沼に向かうことにしました。途中途中で田んぼに降りているマガンの群れや大空を編隊を組んで飛んで行くマガンの群れを見ながらの移動です。天気予報が少しいい方向に変わったので、雨の降らないうちに蕪栗沼を散策することにしました。

出迎えたのはチュウヒです。木に止まっていましたが、その後、4個体程がヨシ原の上を飛んでくれ、しかもこの日は「ピーアッ」とよく鳴いてもくれました。

チュウヒチュウヒ

沼では相変わらずヒシクイの亜種オオヒシクイが数百羽、休んでいました。「ググググ…ガァガ」とオオヒシクイの低音が響き渡ります。対してオオハクチョウは甲高い声で「コォー、コォー」と鳴いています。この時期はシギも少し見られるので、名物?のオオハシシギを探しましたが、残念ながらいないようでした。しかし、ハマシギが1羽、見られました。同じく名物のオジロワシもこの日は見かけませんでした。

今度はカリガネに挑戦です。ポイントに着くや否や、7、8羽の群れを発見し、観察しているとさらに20羽ほどの群れが舞い降りてきました。やや遠いですが、カリガネの特徴は確認できました。かわいいです。

より近いカリガネを探し回りましたが、結局、遠目のカリガネしか見ることはできませんでしたが、途中で風の鳥日和ガイド仲間で写真家の戸塚さんに会うことができました。数泊で取材中のようでした。

カリガネカリガネ

最後は伊豆沼でねぐら入りを見ることにしました。雨の心配もなさそうです。いつもは蕪栗沼でねぐら入りを見るのですが、今回はとある目的も兼ね、伊豆沼でのねぐら入りを見る計画です。とある目的は、その後、あっけなく?達成しました。

伊豆沼に到着早々、人だかりを発見。みな、カメラやスコープを本気で覗いてる風でしたので行ってみると…いました! アオガンです! 日本2例目、本州では初記録のアオガン1羽が伊豆沼に飛来しており、最近はねぐら入り前の採餌で見られているので、それが目的でした。

アオガンアオガン

距離はやや遠目ながらマガンの最前列で採餌中です。なかなか頸は上げませんでしたが、全員珍鳥のアオガンを約30分間見ることができました。

飛来はしているとは言うものの、小さいこととマガンの数が多すぎることで、何度来ても見られない人が続出していたので、超ラッキー! かなりの幸運としか言いようがありません。本当に良かったです。

マガンマガン

アオガンはマガンの大群とともに飛び立ち、ねぐら入りしたので、今度はマガンのねぐら入り観察をしました。おびただしい数のマガンが遠くからどんどんやってきては、沼にきりもみしながら舞い降りていきます。圧巻です。大自然の素晴らしさ、命を感じるひと時です。

ガンのねぐら入りと入れ替わるようにカモたちがねぐら立ちの時間を迎え、大群で夕闇へと消えていきました。

ねぐら入りねぐら入り

 伊豆沼・蕪栗沼バードウォッチング 2日目

11/24。暖かですが、朝から雨降りです。ねぐら立ちを見るべく、蕪栗沼へ向かいました。

雨が止むのを待って、車内待機。鳥談義に花が咲きます。天候も悪いため、ねぐら立ちもまばらです。7時頃、ようやく大きな群れが飛び立ち、観察開始です。雨の中ではありましたが、何とか見ることができました。やや離れた枝にはコチョウゲンボウの姿もありました。

ねぐら立ちねぐら立ち

朝食後は、昨日見ていないハクガン探しです。しかし、行くとこ行くとこ、全く出会えません。途中で会ったガイド簗川の知人が見たようですが、これも出会えず。

それでも、ガンがいる田んぼにはオオハクチョウやコハクチョウも降りており、至近距離で観察できました。ガンはすぐ飛び立ちますが、ハクチョウは横着なのか、よちよちと歩いて遠ざかる姿が、なんとも微笑ましいです。

オオハクチョウとコハクチョウオオハクチョウとコハクチョウ

仕切り直しで昼食の「はっと汁」を食べ、気持ちを切り替えたものの、結局、最後までハクガンは見ることができませんでした。昨日のアオガンで運を使い果たしてしまったようです…。

天気には恵まれませんでしたが、貴重なアオガンを観察することができ、雨の中でもたくましく生きる鳥たちを見た2日間でした。遠い所、参加していただきありがとうございました。

【おまけ】簗川さんによる手書きのおさらい


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【今回確認できた鳥達】


ヒシクイ(亜種オオヒシクイ)、マガン、カリガネ、シジュウカラガン、アオガン、コハクチョウ(亜種コハクチョウ)、オオハクチョウ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カワアイサ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ(亜種オオダイサギ)、コサギ、クイナ、オオバン、ハマシギ、トビ、チュウヒ、ノスリ、アカゲラ、コチョウゲンボウ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒバリ、ヒヨドリ、ウグイス、ムクドリ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、カワラヒワ(亜種オオカワラヒワ)、ベニマシコ、シメ、ホオジロ


簗川さん同行ツアーはこちら!

出発日設定2019/12/19(木)
ご旅行代金128,000円
出発地釧路空港 *解散は女満別空港

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【バードウォッチング】

冬の九州 越冬する鳥たち 3日間

5名催行添乗員

出発日設定2020/01/17(金)
ご旅行代金128,000円
出発地福岡空港

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出発日設定2020/03/07(土)
ご旅行代金58,000円
出発地秋田駅

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