ラオスの楽しみ方 〜村めぐり編〜

文・写真●山田基広(東京本社)

ラオスの朝は 早くてにぎやか

朝5時にはラオス人の生活は既にスタートしている。

高台から集落を見下ろせば、朝餉の準備でかまどで火をたいた煙が各家庭からモクモクと立ちのぼり、小さな盆地が焚き物の煙で靄のようになっている。生活感あふれる焚き物の香りと美味しそうな朝ごはんの香りが混ざって、なんだかとってもおなかが減ってくる。

初めてきた国なのにどこか知っている。なぜか見たことのあるような景色にほっとする。そんな朝の雰囲気からラオスの一日がはじまる。


ホームステイ先の家族

ホームステイ先の家族


食事の準備でどたばたした後は、子どもたちが学校に通うための準備で大忙し。ラオ族やカム族の高床式の家の中や、モン族の土間式の家の中から、ワーワーとした声が村中に響いている。これがもう騒がしいったらない。登校途中の子どもに出会うためにちょっと早めに朝の散歩に出てみれば、きっとそんな景色に出会えるはず。


ラオスの小さな村のシャイな子どもたちとの関係は、遠巻きにしながらつかず離れずの距離で後ろをついてくるところから始まるが、気がつくとすぐそばでニコニコしている距離になる。けど、べったりくっつくことはないところが、またとてもかわいい。

それから、子どもたちが学校へ登校始めるくらいから村の中は犬に猫にニワトリや豚やヤギ、アヒルやガチョウが各家の中から追い出されたとたん!「グワグワッ」、「ブーブー」、「ワンワン」「ニャーニャー」、「モー」「メー」大騒ぎ。ラオスの村の中にいるだけでなんだかワクワクすることばかりなのだ。

あわただしい朝が過ぎると、大人たちはそれぞれの仕事に精を出す時間。離れたところにある畑や田んぼにでかけるので、村は少し静かになる。



ラオス村めぐりでいちばん楽しい時間がやってくる

日が沈むほんの直前、夕方17時を過ぎたころにラオスの村々はその日一番活気ある時間になる。旅をするものにとってはラオスの村めぐりで最も楽しい、にぎやかで生活感あふれる時間帯がやってくる。

メコン川の近くの集落なら川で水浴びをして、洗濯をして、夕餉の水汲みもする。山近くの集落なら沢や沢から引いた水場の近くで水浴びをして、洗濯をして水汲みをして、野菜を洗ったり、料理もしている、そんな時間。夕餉の準備の邪魔にならないように家から追い出された子どもたちは、弟や妹の世話をしたり、家畜を追い回して、水辺で仲間とはしゃいだりと村中ひっちゃかめっちゃかな感じになっている。


ラオスの少数民族の村は山やメコン河畔の傾斜地にへばりつくように済んでいることが多く、小さな土地に集落が密集していることが多いので、村に入ればすぐに喧騒の中に巻き込まれてしまう。人が集まり、家畜が集まる。子どもがそばで大騒ぎをはじめる。さぁたいへん。



ラオスの村にホームステイをしてみる

そんなラオスのメコン河畔の村にホームステイをしてみる。

気がつくとあちこちの家から子どもがやってきて、私たちを迎え入れてくれた家族の子どもが誰だか分からないような状況になる。外国からやってきたお客さんと遊びたくて好奇心のまま遊びに来るのは子どもだけじゃなく大人も同じ。

子どもと遊んだり、伝統的なラオス料理作りの手伝いをしたり、受け入れ先の家族とガイドを通じて話をしているうちに、周りによってきたラオ族、モン族、カム族と様々な顔立ちの人間が楽しく雑談をしている雰囲気がのどかでとてもいい。

この日、歓迎などをはじめとするお祝いの儀式である「バーシー」をしていただく。儀礼に使われるのは、お膳の上に花やバナナの葉、ロウソクで作った飾りに竹ひごに巻いた木綿糸が添えられたもの。

家族、友人、近所の人などが参加して、祈祷師による祝詞のあと、その場にいる全員が順番に祝福や健康を祈る言葉を唱えながら木綿糸を手首に巻きつけてくれる。実に楽しい交流となる。

そして、近所の人たちと一緒に伝統的なラオ族のローカルフードをいただく。

日本の文化に興味津々な彼らからは質問が止まらない。答えを返せば逆にラオスはこうだと教えてくれる。

村めぐりだけじゃ見えてこないラオスのリアルな生活がホームステイでは垣間見えた。貴重な時間。


ラオスには古都アンプラバーンや遺跡群ワット・プーといった世界遺産はあるものの、こうした村めぐりの楽しさを知ると、おそらくそれらの世界遺産を訪れても、きっとラオスにまた来たくなるほどの魅力は感じないと思ったりする。

ラオスの魅力は遺跡や町並みにあるというより、昔ながらの生活がそのまま残っている村の中にある!と感じるから。

ラオスを楽しむなら村をめぐること。

これ、絶対のオススメ。