アンケートから学ぶ

つむじかぜ305号より


私は、毎日お客様からのアンケートを読むのが日課になっています。アンケート用の返信用の封筒が受取人払いになっているので、配達の方が、1階の郵便受けに入れず、6階の事務所まで持ってきてくれます。私の手元に届くと、できる限りすぐ開封して読むことにしています。読み終わると、大阪支店などにFAXします。各部にもコピーして渡し、その日にスタッフ全員が読めるようにしています。

その後、アンケートは社内のシステムに入力されます。私は、それにもう一度目を通して、一部ですが『おかえりなさい』というコメントを添えて弊社のホームページで公開します。クレームがあった場合は、担当者が電話等でお客様にもっと詳しくお話しを伺い、すぐに現地へ連絡し事情を確認し、できる限りすぐに対処するようにしています。

しかしながら、アンケートを確実に改善に結びつけることは、そう簡単ではありません。すぐに改善できることもあれば、現地とじっくり話し込みが必要な場合もあります。『お客様がこう言っているんだから直せ!』などと、現地にただ押し付けるだけでは直りません。契約書でやるべき内容を決めてそれをしなければ支払いを減らす。そんなやり方もありますが、それは、私たちが目指す世界ではありません。

もちろん、現地のスタッフやガイドのやる気の問題もあれば、やり方がそもそも間違っている場合もあります。もっと言えば、その会社の組織としての取り組みの問題もあるのです。そんな場合は、スタッフを育て組織作りからやらないと根本的な解決にはなりません。自らが問題点を見つけ改善していく自浄作用を備えた組織にすることが一番大事です。

しかし、それには時間が掛かりますし、組織作りのための組織作りを何回繰り返しても、そんな組織はできません。地道にアンケートで指摘されたことに耳を傾け、同じことの繰り返しでも諦めずに改善に取り組む。そうした現場を通してしかスタッフも育たないし組織もできません。

そして、『会社の利益のために改善する』。だけでは続きません。何のためにやっているのか。それを考えることが大切です。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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