旅作りが「ドメイン」

コロナ収束後、旅行業はどういう道に進むべきか、という検討が業界の中で始まっている。

以前にも本稿で触れたが、旅行会社が保持している「人間関係を調整し、スムーズに動かす能力」と「コミュニケーション能力」が評価され、ワクチン接種会場のオペレーションやコールセンター事業の請負によって大手旅行会社はかなりの実績を残した。しかも、大手旅行会社は、一時しのぎではなくソリューション事業と捉えるばかりか、ソリューション事業を主たるドメインとし、旅行を手段として位置付けるという方向に向かっている。

そうした方向転換の大きな理由は、旅行で利益の確保ができなくなったということにある。ツアーから差別化特性である機能、品質、ブランド力などが失われ、価格や買いやすさだけを理由に選択が行われるコモディティ商品になったためだ。すなわち、ネットで大量に流通させて初めて利益が出る。店舗や紙のパンフレットで経費をかけて売っても利益が出ないというのである。

旅行商品の利益低減はコロナ以前からいわれていことだ。しかし、コロナ禍で益々個人旅行化が進んだ上に、旅行会社の店舗も減って合理化されたため、雇用問題などから止められなかった店舗での対面販売やパンフレットでのツアー販売から、一挙に、ネットを使ったダイナミックパッケージへと切り替えると決断したというわけだ。弊社はどうか。弊社はあくまで旅行がドメインである。旅作りをどこまでも追求していきたい。

さて、オミクロン株の勢いに驚愕の毎日が続いている。それにしても、3回目のワクチン接種が遅れたのは何故だろうか。報道によれば、ワクチン接種希望者の2回接種がほぼ完了した後、約900万回分が残っていたので、自治体によっては3回目を打とうとしたらしいが、国が横並びを重視して止めたという。また、3回目のワクチンが日本に届いておらず、開始が遅れたとも聞いている。いったい誰がこんなことを指示しているのか。欧州各国では、3回目のワクチン接種が進んでおり、欧州内の往来が今も行われている。それに比べて、2月末まで外国人の入国を認めないと決めた日本との違いに唖然としてしまう。

すでに2~3月の国内ツアーのキャンセルが出始めた。大手の旅行会社からは、延期となっていた修学旅行を中止する学校も出てきたと聞く。仕事をしても実る前に無に帰す。キャンセル作業にも人件費はかかる。こういう事態に至ったのは、もう、コロナになって何回目だろうか。もういい加減にしてほしいが、諦めるわけにはいかない。

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