フィンランド出張

ムーミンとサンタクロース、そしてオーロラとサウナの国フィンランドへ2月16日から行ってきた。ロシア上空は飛べない。北極の上を飛ぶ12時間半のノンストップ直行便があり、今は、一番近いヨーロッパといわれている。

羽田空港を夜の10時に出てヘルシンキ到着が夜中の3時半、国内線に乗り継ぎ一時間ほどかけてOulu(オウル)という街まで行った。人口約23万人。北極圏まであとわずか。ラップランドは目と鼻の先である。ボスニア湾の対岸はスウェーデン。10月から6月ころまでは湾が凍結するから氷上を渡れば対岸まで行ける。Ouluはノキアがこの地に研究開発の拠点を置き嘗ては「ノキアの城下町」と呼ばれていた。現在は、800以上のハイテク企業が立ち並び、「フィンランドのシリコンバレー」とも呼ばれている。

朝の8時ころに市のVisit Ouluセンターに到着。センター内のカフェテリアで朝食を取り、9時から教育プログラム、コーチングプログラムなどのプレゼン&ディスカッション。プログラムは具体的で段階を踏んで目的が達成できるよう構成されている。日本からこうしたプログラムに参加している学生もいるというがまだ少数である。

その後、Oulu大学を視察。個人や小人数の活動、談話がしやすいように、小スペースや電話ボックスのような個室がフロアのあちらこちらに設置されている。日本の大学でこうしたスペースを設置しても、集団で行動しがちな日本の学生には、かえって使いにくいかもしれない。集団性が重視される日本と個が単位の欧米との考え方の違いだろう。こればかりは、簡単には変わらない。学生というより社会全体の違いである。

その後、郊外にあるリサイクル施設を見学。バイオマスを大量に生産しているという。公的資金援助は受けておらず民間の力だけで運営しているというが、あんな大規模なリサイクル民間企業が成立すること自体が不思議でならない。

14時半、一旦ホテルにチェックイン。夕食まで3時間ほどあったのでシャワーを浴びて眠ろうと思ったが、妙に興奮していて寝付かれず、ボーっとした頭で夕食に。料理は肉より魚。メインはイワナのソテーだったが、大きさ、色、味のどれをとってもサーモン。とても美味しかったが、どの料理も少々塩分強め。何故か、冬は塩分が強くなるそうだ。頼めるものなら、塩分を抑えてもらうようシェフにリクエストを上げてもらった方がいい。

夕食後は、オーロラ(Northern Light)を見にバスで郊外へ。林の中を1キロほど歩いて広い沼地に出た。沼地は凍っている上に20cmほど積雪しているから、真っ白な平原に大きな空が広がっていた。雪の上に上向きにどさっと寝転がって、さあ見学だと意気込んだが、この日は曇っていてアウト。

年の頃は15歳くらいだろうか。オーロラガイドの息子さんが私たちの到着前から沼の近くに用意してくれた焚火にあたりながら、大きなウィンナーソーセージを焼いて食べた。寒さをしのぐには、グイッとウィスキーのストレートでも煽りたい気分だったが、殆ど眠らずに2日過ごしたので眠気の方が勝ってしまった。

翌朝は、昨夜のオーロラツアーで借りたつなぎの防寒着と靴下に防寒靴、手袋、毛糸の帽子を再度身に着け、ワカサギ釣りのように氷に10cmほどの穴を開けて小魚を釣るアイスフィッシングに挑戦。昨日のオーロラガイドが今度はフィッシングガイドで登場。昨日も、全員の靴にアイススパイクを装着させていたし、今度は氷上の転倒に備えてバイク用と思しきヘルメットを被らせていた。見た目はブカブカの宇宙服のようなつなぎ服に黒いヘルメットという不格好な姿だが、防寒と安全にはかなり気を使っていることが見て取れた。結局、釣れはしなかったが、一時間ほど“体験”を楽しんだ。俗にいう○○体験というやつだ。

さらに車で海岸沿いを車で走ること20分ほどでLiminka Baytというバードウォッチングで有名な場所に行った。6部屋しかないが大変きれいな宿泊施設も完備されおり、40人のバードガイドが登録されているそうだ。日本語のガイドはいないが、ヨーロッパは実はバードウォッチングの盛んな地。鳥の渡りも大規模で見事である。

夜は、マナーハウス(古い邸宅)を利用したサウナへ。スモークサウナと日本にもよくある普通のサウナ。両方試したが、スモークサウナの方が体の芯から温まる。出た後もしばらくの間、体がポカポカしている。まるでネパールの“つきの家”の五右衛門風呂と同じだ。スモークサウナは、朝から一日中煙でサウナ室を温めるそうで時間も手間もかかるが、肌に柔らかくてポカポカになるから好まれるそうだが、今ではどこも電気のサウナが主流になってきているそうだ。フィンランドでサウナは必須。しかもゆっくり時間をかけて楽しいみたい。

さて、翌日は早朝4時にホテル発。空路ヘルシンキに戻って大型フェリーのシリアラインに乗船しエストニアのタリンへ。フェリーといっても5万トンもあって設備も豪華クルーズ船に近い。フィンランドには中世がない、といわれるが、タリンの旧市街地はたっぷり中世を感じさせる古い街。物価が安く、フィンランド人は、船賃を使ってでも買い出しにエストニアに渡るそうだ。実際、帰路には缶ビールなどを何箱も箱買いした人たちを沢山見た。

翌日、午前は最後のスケジュール。ヘルシンキ市観光局のサスティナブルツーリズムに関してプレゼンを聴いて意見交換。ベースが違う。社会、街全体がサスティナブル。日本では、まだまだ特別なことだが、フィンランドでは自然なこと。それでも、日本は1995年には日本エコツーリズム協会が発足し2007年にはエコツーリズム推進法までできている。しかし25年が過ぎても、小笠原や知床、屋久島など一部で進んだが全体化されることはなかった。サスティナブルツーリズムと名称が変わり国連のSDGsで広がりを見せるが、果たしてどうか。

午後は、マリメッコのアウトレットへ。そんなに古い会社なのかとびっくり。最も、今回で初めてこのブランドを知ったから笑われても仕方ない。社員食堂でランチを取ったが、同席したおじさん4人は浮きっぱなし。目線の向けどころに唯々困ってしまった。

長くなりました。ざっと6日間の旅の様子をレポートしました。なかなか厳しい日程でしたが、ぎゅっと詰まったいい旅でした。日本とほぼ同じ国土に550万人しかいない国フィンランド。ハイテク産業の生産性の高さがこの国を支えているのでしょうが、夕方には家に帰って18時前には夕飯を済ませ、サウナを楽しむのが普通のフィンランド人たちの日課だそうです。収入の半分ほどを税金で持っていかれるそうですが、その使い方に市民が参加して透明性を確保しているといいます。

日本とは違うレベルの民主主義を確立しています。日本はダメだと嘆いても、その矢の矛先は自分に戻ってきます。もうそういうことはしたくありません。しかし、素直に羨ましいですね。他にも感じたこと考えたことは山ほどあります。また機会を改めることにします。

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