添乗報告記●花と温泉 そらのいえに泊まる草原乗馬8日間

2012年8月10日~8月17日 文●前田優希(大阪支店)


そらのいえ入り口

直営キャンプ「そらのいえ」はモンゴルの中でも最も恵み豊かで美しいと言われるアルハンガイ県にあり、モンゴルの人々が憧れる土地の一つでもあります。ウランバートル周辺とはくらべものにならないほど青々としている草原やピンク・白・黄色など色とりどりのお花畑。そしてそれを食べて育った元気いっぱいの家畜たち。またこの周辺には多くの温泉が湧き出ていることでも有名です。青空の下どこまでも続く大自然にどっぷり浸り、一日の締めくくりには温泉でゆっくり疲れを癒す。そんな贅沢な日々を過ごすことができるのがそらのいえです。

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ウランバートルから470キロ!

そらのいえがあるツァガンスムまではウランバートルから西へ約470km。日本でいうと東京から滋賀県くらいまでを車で一日かけて一気に移動します。もちろん舗装された道ばかりでなく、途中未舗装の草原の道やぼこぼこの道も。長距離移動ですが次々と変わる窓からの景色を眺めたり、突然現れる羊やヤクの群れに驚いているとそんな道中も全然飽きずあっという間です。
あの丘を越えたらそらのいえだ!という所で、前日雨がたくさん降ったせいで、大きな川が私たちの行く手を遮ります。そんなことはモンゴルでは日常茶飯事。ベテランドライバーさんの判断でちょっと遠回りしていく事に。しばらく行くとまたまた大きな水溜りが出現。車から降りて、水溜りに石を投げ入れ深さを確認。それほど深くなかったようで問題なしと判断。無事通過することができました。こういうハプニングも大自然のモンゴルならでは。楽しんだもん勝ちです。


川が行く手を遮る

石を投げ入れ深さをチェック
無事通過!



やっぱり乗馬!

ツァガンスムは山あり谷あり川ありと変化に富んだ地形のため、そらのいえ周辺での乗馬はコースが豊富で飽きることがありません。一面に広がるお花畑や小高い山はもちろんのこと、オゴタイ・ハーンの夏の宮殿跡なんかもあります。


いざ出発!

歴史を感じながら宮殿跡でのんびりくつろぐ


中でも一番楽しいのが近くの遊牧民のゲルに突撃訪問。お菓子などちょっとしたお土産を持参し、乗馬途中で4人家族のご家庭にお邪魔しました。お父さんは馬の調教師さんで、ナーダムで優勝したときの賞状がたくさん飾っていました。馬乳酒とお母さん特製のアーロール(乾燥させた硬いチーズ)をご馳走に。これがとっても美味! 甘さ控えめのチーズケーキのような味でばくばく頂いてしまいました。疲れた体が元気になります。


ご自慢の賞状を披露

ゲルの中で特製アーロールを干してます

iPadで一緒に撮った写真をチェック



そらのいえ周辺をぶらり散策

そらのいえでは4連泊します。毎日午前の乗馬が10時過ぎから、午後の乗馬は暑さがやわらぐ4時過ぎから。朝・昼・夕とゆっくり休息をとることができ、かなりゆったりとした日程になっています。ちょっとした空き時間にはそらのいえ周辺を散歩するのもおもしろいです。今回訪れてみたおすすめスポットをいくつかご紹介します。

ツァガンスム寺


本堂

お経が読まれる中、五体投地で祈る女性



朝の散歩にはすぐ目の前のツァガンスム寺がお勧め。毎朝7時くらいからお坊さんがお経を唱えていらっしゃって、ご近所の信者たちが五体投地をして祈りをささげています。もともとこのお寺は温泉を使った伝統医療を施していた寺院として、地元の人々に守られてきたそうです。モンゴルの多くの寺院と同じように社会主義時代には破壊されてしまいましたが、民主化に伴って近年修復されました。このお寺でしばらく過ごしていると、厳しい自然環境の下で生きていくためには信仰が人々にとっていかに大切なものであることがちょっと分かる気がしました。

丘の上の商店へ


目の前の丘の上にあります

こぢんまりとしたお店の中



お昼ごはんの後はちょっとしたおやつを買いにぶらっと丘の上の商店へ。品揃えは・・・・ですが、食料やアルコール類、生活用品などが揃っています。ドルは使えませんので現地通貨トゥグリグのご用意を。遊牧民のお宅訪問のお土産にちょっとしたお菓子を買うにはいいかもしれません。

ツァガンスムの温泉の源泉へ


温泉の源泉

そらのいえの温泉



午後の乗馬の後は、温泉の源泉を見に行きましょう。ツァガンスムの温泉はミネラル分が多く、関節や筋の痛みに効くと言われ、昔から伝統的治療(湯治)に使われてきたそうです。モンゴル帝国のオゴタイハーンも訪れたと言われています。そらのいえから歩いて10分のところにあり、夕方訪れるとたくさんの地元の人が源泉のお湯を汲みにきていました。散歩の後は夕日をバックに180度草原パノラマの中、温泉につかり一日の疲れた体をゆっくり癒しました。


そらのいえの食事

モンゴルでは食事が心配というお声をよく聞きますが、そらのいえは風の直営なので、日本人向けの味付けになっていて安心です。お肉料理だけでなく、野菜やフルーツ、魚(缶詰)などもでてきます。もちろんモンゴルのポピュラーな家庭料理のボーズやホーショールも召し上がっていただけます。日本人は羊肉が苦手な方が多いですが、モンゴルへ行く度に同じ羊でもなんでこんなに味が違うの?と不思議に思うくらい臭みがなくおいしいです。家畜の餌となる草やハーブが新鮮で豊富にあるからでしょう。
今回は人数が多かったので、羊を一頭解体して、ホルホグ(お肉と野菜を焼けた石で蒸し焼きにする豪快料理)をみなさんに召し上がって頂きました。翌日の朝食には羊の内臓にもチャレンジ。見ためがグロテスクなので恐る恐る頂きましたが、これがとーってもおいしくてびっくり。ぱくぱくいけちゃいました。


ホーショールを作る料理長のお母さん

こちらではボーズを



羊の解体

モンゴルのご馳走ホルホグ

羊の内臓



温かいスタッフたち

4連泊したそらのいえともお別れの時間が近づいてくると、徐々に寂しさが増してきました。そんな気持ちになるのも私たちがゲルに戻ってくるといつも居心地がいいように一生懸命頑張ってくれたスタッフたちのおかげです。出発の時にはみんなスタッフ全員と握手を交わして別れを惜しみました。


自然にできたお別れを惜しむ列

そらのいえスタッフ一同と


どこをみても果てしなく続く大自然に、疲れを癒してくれる温泉、夜は満点の星空、そしてスタッフの温かいおもてなし。そらのいえはまさしくモンゴルの理想郷と言える場所です。ウランバートルから丸一日の移動と聞くと足踏みしてしまう方も多いかと思いますが、絶対に行く価値あり。あの大自然は残念ながらカメラにはおさまりきれません。是非ご自身の目で確かめ感じてください!



「そらのいえ」に泊まるツアー


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