ツアー報告●遊牧民と力を合わせてゲル作り!草原ゲル作りキャラバン8日間

コース名:風のチャーター便で行く 草原ゲル作りキャラバン8日間
2012年8月11日〜8月18日 文●小塩 茜(東京本社)


みんなで作ったゲルの前で

2012年8月、風のチャーター便は沢山のお客さんを連れてウランバートル空港へと降り立ちました。チャーター便に合わせて催行されたツアーは実に個性さまざま。その中でも、今回私が同行させていただいたツアーは「遊牧民を体験 草原ゲル作りキャランバン」。その名のとおり、自分たちが寝泊まりするゲルを建ててはばらし、また建てながら移動する旅です。頼もしいキャラバン隊メンバーと共に過ごしたツアーの様子をご報告します。

今回のコース説明はこちら
→ 免許皆伝!ゲルを建てる 草原を知る

キャラバン拠点はアルブルド村


ウランバートルから約4時間、未舗装路を走るバスのひどい震動に耐え到着したのは、バヤウンジュールのアルブルド・ツーリストキャンプ場。ここへは3泊4日にわたるゲル作りキャラバンの前後に宿泊し、いわばキャラバン隊の拠点となる場所です。この日は、キャンプ場の周囲で、常歩(なみあし)中心の軽い乗馬を行い、翌日からのゲル作りキャラバンに備えました。

今回、キャラバンに同行してくれたのは、アルブルド村に暮らす遊牧民たちです。(村といっても、ご近所ゲルはぐるっと見渡して1,2軒が視界に入る程度ですが)
メンバーをご紹介しましょう。モンゴル人が7人、そして日本人は小学生を含むお客さまが7人、私を含め合計15名のキャラバン隊です。

アルブルド村の遊牧民たち

スレン
スレン
ボル
ボル
シャル
シャル
ムギー
ムギー
コックさん
コックさん


ガイド&ドライバー(ウランバートルから同行)

マグナイ
ガイドのマグナイ
ツェンデーさん
ドライバーの
ツェンデーさん
アルブルド村のメンバーは5人。
スレンは歌と冗談が大好きなムードメーカー。ボルとシャルは兄弟で、勝ち気な兄とシャイな弟は対照的でしたが力持ちな所は同じです。14歳のムギーは初めてのキャラバン参加で大張り切り。遊牧民チーム紅一点のコックさんの作る料理はどれも絶品!
一方、ウランバートルから同行してくれているガイドのマグナイは、中心になってキャラバン隊をまとめてくれました。ツェンデーさんは強面ながら(?)笑顔が優しく、悪路で頼りになるドライバーでした。



<キャラバン初日> モンゴルの馬、馬乳酒、ゲル作り…初体験づくしの1日目


曇り空でも乗馬は楽し〜
曇り空でも乗馬は楽し〜

朝はあいにくの曇天。突き抜けるような青空、真っ白な雲はどこへやら…。そんな事はお構いなしに、馬に乗りたくてウズウズしていたお客さま方は嬉しそうに、馬上の人となりました。
しばらくは、常歩(なみあし)、速歩(はやあし)で進みます。休憩を挟みながら3時間ほど乗馬の後、バスが見えてきました。そこで、コックさんがお昼ごはんを作って我々を待っています。この先キャラバン中は、朝・昼・晩と、できたて料理を野外でいただくことになるのですが、毎食おいしかった!
午後になり、ついに雨が降り出しました。ちょうど遊牧民のゲルを訪問する時だったので、しばらく雨宿りさせてもらいました。

〜こんな料理を、毎食野外でいただきました!〜

3食をテントで調理します
3食をテントで調理します
召し上がれ〜
召し上がれ〜
んん……うまい!
んん……うまい!
サラダの味付けも◎!
サラダの味付けも◎!
マカロニと牛、野菜の炒め物
マカロニと牛、野菜の炒め物
鶏肉とフライドポテト
鶏肉とフライドポテト


〜ゲルにお邪魔して雨宿り〜

雨宿りさせていただいたゲルの主人
雨宿りさせていただいたゲルの主人
初めての馬乳酒をいただきました
初めての馬乳酒をいただきました


キャラバン1日目の野営地に到着する頃には青空が見えはじめ、いよいよゲルづくりに挑戦です。
力持ちの遊牧民たちに手伝ってもらいながら(日本チームがお邪魔虫をしながらでしょうか?)、どうにかゲルが完成しました。1つを組み立てるのに、40分かかりました。遊牧民で20〜30分とのことですから、上出来ではないでしょうか!?

〜初めてのゲル作りに挑戦!〜


立派なゲルが完成したぞ!



<キャラバン2日目> 草原から景色が一変。砂丘を楽しもう!


2日目は、青空の朝に迎えられました。さぁ〜て、今日も馬に乗るぞ!
しかし…
「馬が逃ました…」
ガイドのマグナイが困り顔で言いました。夜のうちに、自由奔放な馬が3頭、遠くへ出かけてしまったまま戻っていなかったのです。
馬に乗りたくてウズウズの皆さまも、苦笑いながら、のんびり待つことになりました。
その待ち時間にマグナイが教えてくれた石ころゲームは、単純なルールだけに、子供も大人も輪に加わって、予想外の盛り上がりを見せました。決勝戦は写真(左下)のお2人。日本人も、モンゴル人も、童心に戻った笑顔が素敵です。


石当てゲーム決勝戦

にんまり笑顔のツェンデーさん


この日の午後からはラクダ隊も合流。馬は颯爽と、ラクダはゆっくりと、それぞれのペースでキャラバン隊は進みます。キャラバン中のラクダはゲルの材料を引いているので、その荷車の上に乗せてもらうことができます。意外と揺れるので、荷馬車に揺られてのんびり昼寝……とはいきませんでしたが、ラクダの息遣いや、砂利を踏む車輪の音が、「キャラバン」の雰囲気を盛り上げてくれました。


荷車に揺られて移動するのも一興

騎馬隊が砂丘帯を駆け抜ける


夕方6時頃、前方に砂丘が見え始めると、そこが今夜の野営地です。砂丘に着くやいなや、遊牧民たち、そして子供たちはさっそく砂山を登り始めていました。山があれば登る、そんな本能は共通しているようです。昨日よりちょっとだけ手際の良くなったメンバーで(もちろん遊牧民の手助けも)、砂丘のふもとにゲルを建てました。
おいしい晩ご飯の後、はしゃぐ遊牧民たちにつられて、みんなが砂丘を登っていきました。もちろん真っ暗闇です。それが気分を高揚させたのか、砂の上で、日本チームも裸足になって、相撲対決で盛り上がりました。


今宵の寝床を作ります

男同士の相撲は迫力がありました


空を覆っていた薄雲は消え、いつの間にか天の川がくっきりと姿を表していました。砂丘に寝転がって空を見上げていると、「あ、流れた!」「願い事3回なんてムリだ!」そんな声が上がります。そうしてしばらくの間、無数の星を身体に染み込ませるように、皆が静かな闇の余韻に浸っていたのでした。


<キャラバン3日目> 力を合わせるうち、絆が深まるキャラバンの旅


砂丘の上で朝日を迎えようと、早起きメンバーはカメラを手に砂丘の上へ向かいました。フトゥルオス山の裾から伸びる地平線はどこまでも続き、赤茶けた山肌から草原が、順々に黄金色に染まっていきました。みなさん良い写真が撮れたでしょうか? 

さて、今日も元気に馬に乗るぞ〜! 
……とここでまた、トラブル発生。バスが砂地でスタックしてしまったため、皆で力を合わせて救出作業です。押しても押しても砂からバスは抜け出せず、周囲のゲルを回ってタイヤに噛ませる端布や敷石をかき集め、ようやくバスが脱出できたのでした。バスのトラブルはモンゴルでは付きものとはいえ、砂地のスタックは本当に大変でした…。


砂丘頂上のオボーの脇で、迎えた朝日

スタック、スタック…


そんなバスの救出劇に割いた時間を取り戻すかのように、お昼休憩もできるだけ馬に乗っていた皆さまです。夕方キャンプ地に着く頃にはヘトヘトのご様子でした。でも、今夜も寝床を作らねば!ということで、最後のゲル作りに挑戦です。3回目は、日本人だけでやってみな!と言わんばかりの遊牧民たちに見物されながら、あーでもない、こーでもないと、みんなでゲルを組み立てます。結局、見かねた遊牧民たちにに手伝ってもらうことになったのですが、無事完成させることができました。


この日の夕食は、モンゴル人はみんな大好きという、ホーショール。すっかり遊牧民と打ち解けていたお客さま、キッチンテントでのお手伝いも楽しそうです。揚げたてのホーショールはもちろん絶品! 不便な環境で3食を十分に(しかもおいしく!)用意してくれたコックさんには、感謝の気持ちでいっぱいです。



夕食後、「美声の持ち主」と囃し立てられたシャルさんが、スレンさんと一緒にモンゴルの民謡「渡り鳥」を披露してくれました。そのお返しにと、日本代表で「君をのせて」を披露してくれたEくん、ありがとう!
お互い、日本語もモンゴル語も分からない同士だったけれど、歌を歌ったり、冗談を言い合うことは、自然と伝わるものなんですね。また、遊牧民の彼らが「旅の指差し会話帳」を熱心に読んでいたことは印象的でした。異国の地で人と触れ合えば、私たち旅行者は、もっと会話できたらなと思うのが常ですが、この3日間で遊牧民の彼らもそう感じてくれていたとしたら、本当に嬉しく思います。


「指差し会話帳」でモンゴル語を勉強中



<キャラバン4日目> 草原の出会いと別れ、軽やかな風


キャラバン最終日、いざ、アルブルド村へ。自分の「家」が分かっている馬たちの、よく走ること、走ること…。
草原での最後の夕食はホルホグです。ちょっと刺激の強い場面がありましたが、これも見ておかなければと間近で見る人あり、遠巻きに眺める人あり。遊牧民なら誰でも羊を捌けるという訳ではなく、だんだんとその技術を持つ人も減っているとのこと。ボルさんの手際は実に見事、大地に血はほとんど(たぶん一滴も)落ちていませんでした。

明日はウランバートルへ戻る日。お世話になった遊牧民たちとは、ここでお別れです。せっかく打ち解けて、もっと会話してみたい!と感じ始めた頃だったので、それぞれのお客さまには寂しい気持ちがあったのではないでしょうか。これまで、たくさんの人を迎え入れ、送り出してきたはずの遊牧民たちはどうだったのでしょう。彼らにとっての別れは、もう会うことはないかもしれないし、またふらりと出会えるかもしれない、風のようなものなのかもしれません。

モンゴル人だったり日本人だったり、お客様だったりスタッフだったり、大人だったり子供だったり、いろんな立場の人間同士が入り交じって共に過ごしたキャラバンは、これにて終了です。さらば、草原! ありがとう、束の間のキャラバン隊の仲間たち…!


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