添乗報告記

添乗報告記●タクラマカン砂漠と笑顔溢れるオアシスの町巡り(2010年5月)

 
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果てしなく続く砂漠の大地

コース:タクラマカン砂漠縦断8日間
2010年5月1日〜5月8日 文●池内明穂(東京本社)

“シルクロード”という単語を聞くと、東西の文化・人々が往来し砂漠を進む駱駝のキャラバンや、中国色の強い敦煌の莫高窟に代表されるような仏教遺跡、またウイグル文化の色濃いカシュガルのモスクなどを思い浮かべる方も多いことでしょう。
今回のツアーでは、遺跡や文化を感じることはもちろん、広大なタクラマカン砂漠を縦断し、更に砂漠の真ん中に泊まるというアドベンチャー要素の強い、一味違ったシルクロードを体感してきました。


いざタクラマカン砂漠へ!

ウイグル語で「生きては帰れない死の砂漠」との意味を持つタクラマカン砂漠。その面積は日本の国土面積の約9割に匹敵するとも言われています。
まず今回は、新疆ウイグル自治区の首府ウルムチから、タクラマカン砂漠の北部に位置するコルラまで飛行機で移動しました。コルラはかつて、トルファンやクチャ、楼蘭などのオアシス国家を結ぶ交通の要衝として、そして今はタリム油田開発の重要な基地としても発展を続けている町です。このコルラで皆さん体調を整え、翌日から始まるタクラマカン砂漠縦断、そして約1,600㎞のカシュガルまで続く大移動に備えます。

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コルラから砂漠公路へ向かう途中の食堂
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コシがあって美味しい打ちたてのラグ麺

果てしなく続く砂漠公路

タクラマカン砂漠には砂漠縦断道路である「砂漠公路」が走っています。砂漠公路自体は8時間ほどで走破することが可能なのですが、私たちは砂漠の真ん中で宿泊をするため、あえて2日間の日数をかけてタクラマカン砂漠を縦断しました。走行中は、走っても走っても終わりの見えない砂漠を目の前に古の人々の苦労を思い浮かべました。
砂漠と一言で言っても、その景色は進行形として、変化し拡大を続けています。私達が思い浮かべる砂漠のイメージであるサラサラの砂が広がる場所や胡楊の木が生息している場所、また遥か遠くに竜巻が起こっていたり、油田開発の工場が建設されていたり……
すれ違う車もほとんどなく、道の舗装状況もよいため、時速80〜100㎞ほどで一気に車を飛ばしていきます。

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胡楊の木
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砂嵐に遭遇
ドライバーさんも慎重に運転を続けます

塔中到着!だけど…砂嵐!!

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塔中の宿にて宴会です
皆さんの絆が深まった一夜となりました

今回のコースの大きな目玉は、砂漠の中心部にある油田基地・塔中周辺で、ふかふかの砂漠の上でテントを張ること。この日の午前中はあいにくの曇り空で強風でしたが、午後は日差しも見えてきました。塔中到着時、強風を体感しながらも夕食後、期待を持ちつつテント設営場所へ移動します。しかし着いた先でもやはり砂嵐が私達の体を包みます。粒子の細かい砂が舞い上がり、もやがかかったような状態です。
ベテランガイドの趙さんによれば、風速20㎞/h 位はあるとのこと。このままテントを張って夜を越すことは大変危険であると判断し、この日は塔中の宿で一夜を過ごしました。

残念ながら満天の星空は見ることができませんでしたが、翌午前中、少し風が収まった砂漠へ向かい、テント泊体験に再チャレンジ! 
本来は午前中から次の町へ移動する予定でしたが、ゆとりあるスケジュールを組んでいたことで再度砂漠を満喫できるチャンスが訪れます。太陽がうっすらと明るく大地を照らし始め、みなさんも待ちに待ったこの瞬間、期待に胸が膨らみ笑顔がこぼれます。
まずはじめに趙さんから手ほどきを受け、その後各自で協力しながらテントを設営しました。

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まずは張り方を確認
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その後協力して各自のテントを張ります
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歩いても歩いても、地平線は遙か彼方…
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砂漠で寝てみる

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砂漠公路縦断しました!

「朝寝」を楽しんだり、どこまでも続く砂漠を歩き回ったり、砂の上で寝てみたり…etc.皆さんものんびりと砂漠を楽しんだようです。

全てを包み込むような穏やかな砂漠と、砂嵐が起こり恐怖の大地へと豹変する砂漠。この両面を体感することができた貴重な2日間となりました。

砂漠公路から西域南道へ、そして魅力のあるオアシス都市を巡る

砂漠公路を抜けると、シルクロードの主要ルートのひとつである西域南道へ合流します。この西域南道には、かつて精絶国という小国があり周辺には遺跡も残る民豊(ニヤ)、玉の産地として中国国内外でも有名な和田(ホータン)、ウイグル族の伝統音楽「ムカム」を大成したアマニ・サーシャンのお墓が残るヤルカンド、ナイフの町エンギサルなどのオアシス都市が、今回の旅の終着地、民族の十字路とも呼ばれるカシュガルまで点在しています。
それぞれのオアシスでは新緑のポプラ並木が続き、春の穏やかな気候の中、行き交うロバ車もどことなく足取りが軽いようです。

もともと人懐っこく陽気なウイグルの方たち。訪れる町で出会う人々はウイグル族の比率も高く、どの町でもカメラを向けると素朴な人々の笑顔が返ってきました。

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自慢そうに子羊を抱えていた
ケリアのお母さん
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「カメラはあっちだよー」とお母さん


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ナン屋さんの看板娘
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「さあ、格好良く撮ってくれ」
とカシュガルのタバコ売りのおじさん


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人懐っこいヤルカンドのおじさん3人組み
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「焼きたてのナンは絶品だよ」

今こそ新疆へ

2009年7月に起こったウルムチの騒乱は、まだ私達の記憶に新しいと思います。決して風化してはならない大きな事件ですし、今も“新疆って安全なの?”といった声を時々耳にします。もちろん海外旅行では、どこの地域でも絶対的な安全はありません。しかし訪れたウルムチは、他のオアシス都市同様笑顔とエネルギーに満ちていました。ただ騒乱後、新疆を訪れる観光客は減り、現地の観光産業は低迷しています。ウルムチも、そしてウルムチ以外の町でも、昔から続く交易の町として生活を続けている素朴で明るい人々が、私達観光客の訪れを心待ちにしています。

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ロバ車が行き交う西域南道

風の旅行社は、皆様に安心して新疆の旅を楽しんでいただけるよう、長年付き合いのある現地提携会社のスタッフ一人一人と強い絆を結び、新疆のツアーを盛り上げています。現地日本語ガイドは、文化、歴史、現地の生活習慣にも詳しく、広い視野を持ち私達の好奇心を満足させてくれる、明るく頼もしい存在です。

これからの季節は葡萄や杏、ハミ瓜など果物も美味しく熟してきます。
さあ皆さんも遺跡・自然そして温かい人々が待っている悠久の大地シルクロードへ出かけませんか。