ツアー名:タイ・ケーンクラチャン国立公園6日間
2025年4月6日(日)~4月11日(金)
写真・文●ツアーガイド:田儀耕司
4月6日、6名の方とともに、羽田空港からタイ国際航空661便に搭乗しました。バンコク到着は翌7日の早朝5:00前。夜明け前で、スワンナプーム国際空港は幸い人出も少なく、すぐにガイドのドンと合流できました。
空港を離れる頃には少しずつ明るくなり、バンコクの街をバックに飛ぶスキハシコウやコサギ等を見ながら、約3時間かけてケーン・クラチャン国立公園に到着しました。入口で入場料を支払って、公園内へ。
午前中はキャンプ場の手前の道路沿いで何度か車を停め、少しずつ歩きながらバードウォッチングをしました。カンムリワシ、インドトサカゲリ、カンムリオウチュウ、マミジロキビタキの雄等が出現し、普段は見づらいアオミミゴシキドリが巣穴を探す姿を間近に見ることもできました。




移動中、ガイドのドンが、「ヒョウだよ!」と叫び、参加者全員が道路を横切るヒョウの姿を見る機会に恵まれました。ツアー初日からとても幸先の良いスタートになりました。また、昼食をとった食堂の裏では、マレーグマを、キャンプ場ではダスキールトンにも出会え、初日から哺乳類が多く出現し、盛り上げてくれました。
今年は例年よりも雨季の訪れが早いのか、湿度の高い公園内では、吸水に訪れるミカドアゲハ、アオスジアゲハ等のおびただしい数のチョウの姿を見ることもできました。
午後は再び公園内を歩き、キャンプ場でアジアスズメフクロウ、クリイロヒメカッコウ、キエリアオゲラ等に出会うことができました。また、キツツキ類の中で最大種の一つ、ボウシゲラの姿も木々の合間から見ることができました。


夕方5時半過ぎにバーン・マカロッジへチェックインし、食事の後は早めに休むことにしました。
4月8日は国立公園の近くにあるバード・ハイドへ行くことになりました。途中、ドンが草地でインドイシチドリを見つけてくれ、皆で観察・撮影しました。ハイドには7時過ぎに到着。
ハイドに入るとすぐ、マミジロキビタキの雌、セキショクヤケイ、クロエリヒタキ等が登場しました。




水場には、コルリの雄があらわれ、ひとしきり水浴びをした後、森の奥へと消えていきました。にぎやかなヒメクビワガビチョウやクビワガビチョウの群れ、赤い頭に山吹色の背面、白黒の独特の模様が美しいズアカミユビゲラ、目の覚めるような鮮やかな黄色い羽が目立つキエリアオゲラ等が入れ代わり立ち代わりやってきます。




日本でもおなじみのエメラルドグリーンの羽の美しいキンバト、雄の鮮やかな青とオレンジのパターンが目立つインドシナヒメアオヒタキ、さらには、アカハラシキチョウ、オオマルハシ、マミジロマルハシ等、時間が経過するにしたがって、新しい種がやってくるため、暑いハイドの中でも退屈せずに楽しんで観察できました。




昼前からは、アカチャシャコ、チャムネミヤマテッケイ等の地上性の愛嬌のある鳥たちが出現したり、大きなキタカササギサイチョウが地上に降りてきて驚かせたり、渋い青や緑の光沢のあるクロラケットオナガが家族群でやってきて、眼を楽しませてくれました。




この日期待していたコクジャクやヤイロチョウの仲間は現れてくれませんでしたが、最後にオレンジツグミやオオクイナが出て、参加者たちを満足させてくれました。


4月9日はローカルガイドのデイトが加わり、ケーン・クラチャン国立公園内の丘陵地にあるキャンプ場へ向かいました。デイトが急に立ち止まり、暗い林内に入って手招きするので、よく分からないまま皆で行ってみると、地上から50cmくらいの低い倒木に、ミツユビカワセミが停まっていましたスズメほどの大きさのとても小さなカワセミですが、赤紫、オレンジ、青紫のとても美しい羽色をしており、至近距離での観察で、皆笑顔になりました。
未舗装の道を上がっていく途中、ドンが道路際を指さすので見ると、オビロヨタカが座っているのが見られました。また、まるで空中にハンモックを吊り下げたかのようなオナガヒロハシの巣と、おもちゃのような親鳥を観察できました。


山頂では、ルリノドゴシキドリを見られた以外、あまり鳥影がないため、早めに山道を下り始めます。途中で鳥とは思えない、濁った声に、ドンが「ムネアカハチクイ!」と反応しました。すぐに、ドンとデイトが見つけ、鮮やかな赤い喉の大きなハチクイを全員無事に観察できました。昼食を食べにキャンプ場へ降りる途中、さらにクロヒゲゴシキドリ、カザリショウビン、とても小さなアジアヒメキツツキを追加することができました。
昼食後、クロアカヒロハシを探しに行くと、赤と黒の羽に加え、水色の上嘴と黄色の下嘴のコントラストが眼に鮮やかなクロアカヒロハシのつがいを無事に見ることができ、さらに、観察機会の少ないキガシラムクドリのつがいに出会うことができました。


さらに、美しい紫色のスミレテリカッコウ、オウチュウカッコウまで出現してくれました。
4時を過ぎてから雨が降り出し、しばらく雨宿りをした後、宿の近くの湿地でアジアレンカク、ムラサキサギ、ヒクイナ等を観察し、この日の探鳥を終えました。


4月10日、最終日は農耕地や田んぼ、塩田の鳥を見るため、早朝に宿を出発します。途中で、ホオジロムクドリ、ミドリハチクイ、インドシナブッポウソウ等を観察した後、最初の探鳥地、ペッチャブリーの水田地帯に到着。鮮やかな黄色が目立つキンイロコウヨウジャク、コウヨウジャクがすぐに姿を見せました。水田地帯では、沢山のジャワアカガシラサギに混じり、タイでは珍しいインドアカガシラサギの姿も。田んぼの脇から出てきた小さな鳥は世界的に絶滅を心配されているシマアオジの雄でした。まだ完全な夏羽には変わっていないものの、黒い顔と栗色の頭部を観察することができました。




水田の上を極彩色のハリオハチクイが飛びまわり、カタグロトビやシロガシラトビが上空を舞っていました。



次に訪れたのは、バンコク郊外の塩田で、チベットメダイチドリ、オグロシギ、サルハマシギの夏羽に加え、チャガシラカモメ、クロハラアジサシ、オニアジサシにも出会えました。




昼食後に訪れた塩田では、ドンから、「たぶん、この時期にはもう見られないよ」と言われていたヘラシギに無事に出会うことができ、参加者一同大いに盛り上がります。まだ夏羽には変わっていませんでしたが、赤褐色の羽を一部見ることができ、首を横に振りながら餌を捕る特徴的な行動も観察できました。
最後に訪れたバンコク郊外の公園でインドコキンメフクロウやコウライウグイスに出会え、21時半にスワンナプーム空港へ到着。ドンに別れを告げ、ほぼ満席のタイ国際航空682便に乗り込みました。


4日間で175種の野鳥と15種の哺乳類が出現し、充実したツアーになりました。
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田儀さん同行 ベトナム国立公園の鳥
出発日 | 旅行代金 | 出発場所 | 催行状況 他 |
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2026/03/08(日) | ¥450,000 | 東京 |