添乗ツアー名 ●おさんぽチロル8日間
2019年6月23日(日)~6月30日(日)
文・写真 ● 平山未来(東京本社)
Guten Morgen!(グーテン・モルゲン=ドイツ語で「こんにちは」の意味)
6/23から一週間ほど、オーストリアのチロル地方を訪ねるツアーに添乗してきました!お花畑とフレッシュなハーブが採れるこの時期限定の、『季節限定ツアー』。昨年に続き、今回が2回目の催行でした。
ちなみに、男性のお客様からの強いご要望で今年は女性限定ではなく、男性やご夫婦も参加OKとなりましたが、結果的には今回も参加は女性のみで、30代~60代の女性6名様+添乗平山で和気藹々と女子旅を楽しんで参りました。
尚、今回のツアーは「おさんぽ」というツアータイトル通り、日頃からハイキングを趣味にしている方でなくても楽しめるハイキング初級者レベルの場所(且つ絶景!)を訪れつつ、ただ単にハイキングをするだけではなくて、「本場の“ハーブ”を含めたチロルの自然の恵みを五感で体感すること」がサブテーマのプログラムになっています。
昨年度のツアーから変わったポイントとしては、
①ロイタッシュ村のBIO HOTELに3連泊
昨年は1泊ずつの移動が続き連泊は一度もありませんでしたが、今年は最初の滞在地ロイタッシュで3連泊。こじんまりとしたロイタッシュ村は、周囲を山々に囲まれながらも開けていて、きもちのいい朝の散歩も楽しめる抜群のロケーションです◎
②ブレゲンツの牧場民宿でも2連泊
昨年参加されたお客様から熱望されたこちらの宿での連泊を実現。高級避暑地レッヒでの宿泊を思い切ってカットしたおかげで、ロイタッシュで3連泊+ブレゲンツの森で2連泊という行程となり、2つの小さな村でゆったり過ごせる上に、空き時間には洗濯もできる(?)のがひそかに好評でした(笑)
③街の散策が減ってアルプス展望ハイキングが増えた
チロルのかわいらしさを楽しむだけではなく、今回はカッコイイ山々を眺めながらの展望ハイキングも新たに織り込みました。お手軽なハイキングスポットとしては日本人にはまだほとんど知られていないドイツのヘルツォークシュタンドとゼーフェルトでの稜線ハイク。
ヘルツォークシュタンド ハイキング
ゼーフェルダーヨッホ ハイキング
いずれもハイキングとしては初級レベルなのに、景色は抜群に素晴らしい。いずれも快晴に恵まれたおかげで、アルプスの山々の連なりをこれでもか!というほど堪能できました。
これらを追加したおかげで、初年度の移動が多い行程に比べて、老若男女どなたでも楽しめるツアーにリニューアルしています。
一般的なハイキングツアーと一味違うポイント
1.ハーブガイドさん宅でハーブのパンとハーブ塩作り
お庭には50種類以上のハーブが栽培されている農家(兼ハーブガイドさん)のお宅で、各々好きな香りのハーブを摘み取り、ガーデンの石窯でハーブピザとパンを作りました。焼きあがるまでの時間には、ハルシュタットの岩塩鉱で採れた岩塩に、何種類ものドライハーブを混ぜて石臼でゴリゴリ混ぜて作るハーブ塩を制作。見た目もカラフルで、香りにも癒されます♪
2.ハーブの道を歩きながらのハーブオイル作り&お花摘み
ハーブガイドさん宅から程近いレッヒに移動したあと、ゆるやかなハイキングを楽しみつつ、見た目もかわいいオイル作りをかねたお花摘み。通称ハーブの道では、キレイな清流の川沿いをゆる~いペースで歩きつつ、ガイドさんにハーブの効能を聞きながらの散歩を楽しみました。
ハーブの道 ハイキング
3.BIO農家で採れたハーブや牧草入りのクッション作り
ワークショップでは、つい最近刈り取られたばかりの牧草やヨーロッパハイマツの木の香り、数種類のハーブの香りに癒されながらそれぞれ自分好みの世界に一つだけのオリジナルのハーブクッションを作りを体験。このハーブクッションにはリラックス効果や体を温める作用があり、緊張を和らげてくれたり、関節痛を改善してくれたりする効果もあるようです。ハーブや牧草が山ほどあるチロルでは、全て身の回りで調達できるのも嬉しいポイントですね。
4.ドイツ最古のハーブ薬局にも立ち寄る
ドイツとオーストリアはヨーロッパの中でも「ハーブ先進国」と言われ、ハーブ療法やホメオパシーといった自然療法が「医師」による処方薬として用いられ、ハーブティーが薬剤師の手によって市民に処方される国として知られています。
ドイツでは「メディカルハーブ」が人々の暮らしに根付いており、体に負担をかけず、ゆっくり穏やかに働きかけながら体質や体調を改善していこうという考えから、医者にかかる前に、病気の予防と対策にハーブティーを飲むそうです。ちょっとした体調の不調なら、まずは薬に頼らずに自然の植物の力を借りて改善するのがこちら流。
今回も私は「胃腸(消化)に効くハーブ」を処方していただきました。帰国後、美味しいもの食べ過ぎて弱った胃腸に、ばっちり効いてくれてます。
5.「BIO HOTEL」に宿泊
BIOとは、オーガニック(無農薬/有機栽培)で作られていることを意味する言葉。《BIO HOTEL》は、食事や飲み物、コスメ(シャンプー・石けん・スキンケア等)は、すべてがBIO(オーガニック)。タオル、ベットリネン類、さらには、施設の建材や内装材も可能な限り自然素材を使用し、再生可能エネルギーの積極的な活用を含め、CO2排出量削減にも厳格に取り組んでいる宿泊施設のことを意味します。
チロル地方に本部を置くビオホテル協会の厳しい基準を満たして認定を受けた《BIO HOTEL》は、ドイツ、オーストリアを中心に約7か国、およそ100軒ほどしかありません。 美味しい100%ビオの食事とレベルの高い環境マネージメントにより、最も先進的な“サステナブルホテル”(持続可能な宿泊施設)として年々注目が高まってきています。
個人的に、チロルの現地料理(こってり系/野菜はほとんどない)が続くとなかなか厳しいものがあるので、美味しい野菜がビュッフェ形式で毎日食べれるところが一番嬉しいポイントです!
ブレゲンツの森郊外ハイキング
最後はまさにアルプスの少女ハイジの世界!とも言える、牧歌的なブレゲンツの森の湖とお花畑をハイキング。昨年同様、「ここが一番ステキでした~」というお声が多かったです。ここで見る牛たちは本当に幸せそうで、カウベルの優しい音色に本当に癒されます。高原に芽吹く美味しいハーブをモリモリ食べて、まちがいなく美味しいお乳を出してくれるに違いありません。
お土産は見事にハーブ尽くし
昨年同様、スーツケースはハーブだらけになりました。(お土産例=ハーブオイル、ハーブクッション、ハーブ塩、ハーブ石鹸、ハーブティ数種類、ハーブシロップ数種類、カボチャの種のオイルほか)
帰国しても、クッションの香りをかいだり、オイルに詰め込まれた花々を眺める度にチロルの美しい風景を思い出します。こうやって、その土地のハーブや牧草の香りや思い出ごと、日本に持ち帰れるのは、本当に嬉しいですね。
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ちなみに今回ご参加いただいたお客様に、参加されたきっかけを尋ねたところ、私が一昨年視察の際に書いた記事「チロル地方の魅力」について書いた記事や添乗レポートを読んで、「読んだら行ってみたくなりました!」というお声をたくさんいただきました。
ツアーの最後には、「今までの海外で初めてリフレッシュできたなぁと感じた旅でした」という感想もいただき本当に嬉しい限りです。
のんびりゆったりペースの行程だったので、ちゃっかりスイーツやカフェタイムも楽しみました。
まだまだ世間では知名度が低いチロルですが本当に見るものすべてが絵本のような世界で、まるで「おとぎの国」のような景色に、参加された皆さまは大変ご満足されたようです。
風の旅行社で企画するチロルは、ただ単に山を眺めて歩くだけではなく、お花を摘んで楽しみ、食べて味わい、香りに癒され、上手に加工して持ち帰り、普段の暮らしの一部にチロルの恵みを取り入れるという、チロル地方の自然を丸ごと楽しむ!をコンセプトにした旅です。来年もチロルツアーは季節限定で企画しますので、どうぞご期待ください!