添乗ツアー名 ●ノスタルジーにひたる 古都フエ・ホイアン5日間
2026年3月19日(木)~3月16日(月)
文・写真 ● 前田優希(大阪支店)

ノスタルジックな街 ホイアン
今回の旅のもうひとつの軸が「食」。ベトナム料理は、南北に長い国土がもたらす多彩な食材に加え、世界三大料理にも数えられる中国料理とフランス料理、双方の影響を受けながら独自に発展してきました。美味しくないわけがありません。
中でも中部の料理は、ややしっかりとした味付けや辛味・酸味のバランスが絶妙と言われているそう。そんな中部ならではの食も楽しんでいただく旅となりました。
ベトナム中部の玄関口・ダナン
日本からホーチミンまたはハノイで国内線に乗継ぎ、旅のスタートは中部最大の都市ダナンから始まりました。海沿いの開放的な雰囲気と、活気ある街並みが印象的です。
到着後は港町らしく、海鮮料理を堪能。新鮮なロブスターやカニのすり身の揚げ春巻きなどがテーブルに並び、ベトナム料理好きとしてはさっそくテンションが上がります。食後お客様に順番に自己紹介をしていただき、少し緊張感のあった空気も、自然と和やかに。美味しい食事のおかげで、和気藹々とした良い雰囲気で旅がスタートしました。

中部を代表するビールラルー(左)と海鮮料理
ホテルに戻った後は、週末には火を噴くことで話題の「ドラゴンブリッジ」など、ライトアップされたハーン川沿いをお散策。心地よい夜風に吹かれながら歩いていると、ギラギラした都会の雰囲気と昔ながらのローカルなにぎわいがほどよく混ざりった、ダナン特有の雰囲気を感じることができます。

ダナンの街並み
古都の風情がただようフエ
翌日は古都フエへ。到着後、まずはこの土地ならではの名物料理を楽しみました。バインクアイ(お好み焼き)やバインロック(バナナの葉で包んだ蒸し餃子)など、見た目も可愛らしい料理が並びます。「バイン」はベトナム語で粉もの料理の総称で、小皿で少しずつ提供されるのが特徴。いろいろな味を少しずつ楽しめるのがよいです。
フエの麺料理といえばブンボーフエ。「ブン=細い米麺」、「ボー=牛肉」を意味し、その名の通りフエ名物の牛肉麺です。ほどよい辛さとコクのあるスープが絶妙で、お汁までしっかり飲んでしまえる一杯でした。中に入っている血を固めた具も、食べてみるとクセがなく美味しかったです。

フエの名物料理
腹ごしらえをした後は、フエのシンボルでもあるグエン朝王宮へ。新市街のにぎやかさとは一転して、旧市街には落ち着いた空気が流れています。
1802~1945年の間、13代も続いたグエン朝。中国の紫禁城を模して建てられたそうで、広大な敷地と重厚な門構えに、かつての王朝の栄華が偲ばれます。あまりにも広いので、途中電気カートを利用して移動しました。

広大なグエン朝王宮
続いて訪れたミンマン帝廟は、グエン朝の最盛期ともいわれる第2代皇帝の陵墓です。お墓と言われながら、実際ミンマン帝はどこに埋葬されたかは謎とされているそう。自然と調和した中国風の造りが印象的で、静けさの中に荘厳さを感じました。

中国風のミンマン帝廟
次に訪れたカイディン帝廟は、西洋の影響を受けた華やかな装飾が特徴で、ミンマン帝廟とはまったく違った雰囲気。細部までこだわり抜かれた造りに思わず見入ってしまいます。それぞれ異なる個性を持つ建築を巡ることで、フエの奥深い歴史に触れる一日となりました。

東洋と西洋が入り混じった建築様式 カイディン帝廟
夜はフエ名物・宮廷料理を楽しめるレストランへ。グエン朝が終焉を迎えたのは1945年。その後のベトナム戦争の影響もあり、宮廷料理は一度途絶えてしまったそうですが、近年になって当時のレシピや様式をもとに再現・復活されたものだそう。
テーブルに運ばれてきた料理は、鳳凰の飾りなどがあしらわれ、ひと皿ごとに思わず写真を撮りたくなる華やかさ。味はもちろんのこと、見た目も含めて楽しめるのが宮廷料理の魅力。でてきたときは食べてしまうのがもったいないと思ってしまいますが、もちろん美味しくいただきました。

盛り付けが華やかなフエの宮廷料理
ノスタルジックな街・ホイアン
ホイアンへ向かう途中、チャンパ王国の聖地として知られるミーソン遺跡にも立ち寄りました。緑に囲まれた静かな谷あいにレンガ造りの祠堂が点在し、どこか神秘的な雰囲気が漂います。精巧な彫刻や独特の建築様式からは、かつてこの地で栄えた文化の高さを感じることができました。
一方で、ベトナム戦争時の爆撃による破壊の跡がそのまま残されています。遺跡内には実際に使用された爆弾も置かれていて、穏やかな自然に包まれた風景との対比が印象的で、改めて戦争の傷跡を実感しました。長い年月をかけて築かれてきた貴重な遺跡が、戦争によって一瞬にして壊されてしまう虚しさを感じるとともに、昨今の情勢を考えると平和な日常がこれからも続いてほしいと、あらためて感じました。

チャンパ王国の聖地 ミーソン遺跡
ホイアン到着後は旧市街をゆっくり散策します。ホイアンは16世紀以降、日本人も来航するようになり、日本街が作られたり、江戸時代には朱印船貿易も行われ、日本とのかかわりも深い街。黄色い壁の建物や歴史を感じさせる町並みが広がり、どこを歩いても絵になる風景が続きます。午後からのホイアンは人・人・人。どこもかしこも観光客でいっぱいです。
日が暮れてからはホイアンナイトマーケットへ。色とりどりのランタンに灯りがともり、昼間とはまったく異なる幻想的な雰囲気に包まれます。川沿いもライトアップされ、お土産店や屋台も多く、歩いているだけでわくわくするような場所です。

風情あるホイアンの街並み
翌日、朝からホイアン郊外のカムタン村へ行き、伝統的なお椀のような丸い竹製ボートに乗るクルーズ体験へ。ココナッツ林のジャングルの中を進みながら、ゆったりとした時間を楽しみました。漕ぎ手を体験したり、ボートをぐるぐるまわすパフォーマンスもあり、これが意外におもしろく盛り上がりました。村でとれたココンナッツの実がたくさん入ったジュースも大変美味でした。

伝統的なお椀ボートにのってリバークルーズ
ホイアンへ戻りふたたび旧市街へ。前日のにぎやかな夜とはうって変わり、午前中は落ち着いた穏やかな空気が流れています。シクロ(人力車)に乗ってのんびりと街を巡ると、同じ場所でも時間帯によってまったく違う表情を見せてくれることに気づかされます。

シクロに乗って旧市街散策
旅の締めくくりは再びダナンへ戻り、ハーン市場へ。雑貨や食品が並ぶにぎやかな市場で、ローカルの雰囲気を感じながらお買い物を楽しみました。皆さま思い思いに購入され、早めの夕食を済ませて空港へ向かいました。
今回の旅で一番感じたのは、ベトナムの国全体にただよう活気と若さです。平均年齢30代ということもあり、どこもかしこも若さにあふれていました。お客様からも「昔の勢いのあったときの日本みたいだわ~」というお声も。若さにくわえて、地元の人たち穏やかで優しい笑顔がとても印象的でした。今回は中部にスポットをあてましたが、また違った魅力を求めて他の方面へも足を運びたいと思います。
~ベトナム中部の名物料理を求めて~

