ネパールトレッキングのチップについて

先日、ネパールに関わる日本側のスタッフとネパール支店の担当マネージャーたちとをZOOMで繋いでチップに関するミーティングを開いた。というのもお客様からのアンケートでネパールでのチップについての苦言をいただいたからだ。

ネパールのトレッキングでは、メインとなる日本語ガイドのほか、サブガイドや荷物を運ぶポーターが同行する。ポーターは道中ずっと同じ人間が着くとは限らず、途中で交代したり増えたり減ったりすることもあるので人数把握も難しい。また空港やトレッキングのスタート地点への移動に使う車のドライバーさんが登場する場合もある。

弊社ではほとんどないが、大人数のキャンプトレックともなれば、コックやキッチンボーイと呼ばれる調理助手が同行し、テントやキッチン道具などの荷物を運ぶ荷馬やゾッキョ(ヤクとウシの交配種)、その馬方や牛方? も同行して、まさに「大名行列」のようになる。

その一人一人がお客様からのチップを期待しているのだから、慣れていない方にとっては非常にプレッシャーになるのは想像に難くない。では、ガイドやサーダー(ポーターのリーダー格)にある程度の金額を渡して「いいように配分して」と言えば良いと思うのだが(実際、昔はそうやっていた)、ポーターたちにとってみると「ガイドやサーダーが中間搾取をしているに違いない!」「直接もらえたらもっと貰えるはずだ」という不満が出る。ガイドたちも謂れのない批判をされたくないので「お客様から直接払ってもらうようにして欲しい」と要求してきて、ここ最近は、チップの目安を事前にご案内し、お客様から直接支払っていただく形にしていたのだ。

しかし、このやり方だと、あらかじめチップも含めて現地通貨に両替をしなくてはならない。当然ながらチップは成功報酬なので、払うか払わないか、金額をいくらにするのかは、お客様個人の判断に委ねられるものなのだが、そもそもサービスが良かったのか悪かったのかも判断しにくいということもあり、日本人のお客様には大変負担になる。形式的に公平だからと言ってお客様が「チップが面倒だから風には参加しない」となってしまえば元も子もない。我々はやはりお客様のほうを向かなくてはならないだろう。

そこで、今後は現地のランドフィーに含めてもらおうということになったのだが、そこにも問題がある。チップを給料のように現地費用として出費する場合、当然だがネパールの税金がなんと28%もかかるのだ。当然、料金にも反映されるので旅行代金が上がってしまう。非常に頭の痛い問題だ。
現場からは「もっと貰えたはずだ」といった不満が出る可能性もあるので「頑張ってくれた」と思ったサブガイドやポーターには少額でも別途チップをお渡しいただくように、お客様のご理解とご協力をお願いしたいと思う。

チップの問題は日本でネパールトレッキングを扱っていく限り、ずっと付き合っていかなくてはならない古くて新しい課題なのだろう。これからも、お客様の利便性を考えつつ、料金の高騰を抑えるということに取り組むほかない。

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