トランシルヴァニア地方には多くの村がありますが、その中でも 「雰囲気が良い、景観が良い、面白い、素敵な宿泊施設がある」と4拍子揃っているのがビスクリ村です。イギリス王室のチャールズ皇太子もここを気に入り別荘を購入した事も有名で、世界のセレブリティをも魅了する程の魅力があるのです。日本人に限らず団体が宿泊できるスペースが無いので、 観光地のような騒がしさも皆無で中世の時代から変らぬゆっくりとした時間が流れています。そんなビスクリ村の魅力をお伝えしたいと思います。
静かなビスクリ村ですが 朝はメインストリートの大渋滞から始まります。”渋滞”と聞くと車が連なりクラクションの喧騒を思い浮かべてしまいますが、ここ ビスクリ村の渋滞を引き起こす主は車ではなく牛や山羊といった家畜達でクラクションが鳴き声に代わります。主な産業が牧畜業でもあるこの村は毎日各家庭から家畜を牧草地へ放牧に出します。最初こそほんの数等の家畜だけですが、メインストリートを歩く毎に家畜たちが増え始め、 最後は牛・山羊・羊・馬そして人で道を埋め尽くし大渋滞!タイミング悪く車が通りかかってしまうともうお手上げ状態!家畜達の喧騒と共に一団は牧草地へ旅立ち、こうしてビスクリ村の一日が始まっていくのでした。ちなみに、 夕方も牧草地から戻ってきた家畜達で再び大渋滞なり、こちらも同じく見応えがあります。
ビスクリ村には 隠れた絶景スポットが2つあります。一つ目は 村はずれのとある場所。宿の裏庭を通り小さい林を抜けると 目の前に広大な緑の丘陵地が現れます。まるでスコットランドのような風景ですが、その丘陵地から後ろを振り返ると ビスクリ村の全景を見ることが出来てこれがなかなかの絶景!ビスクリ村は一番高い場所に要塞教会が建っておりそこを取り囲むように村が造られています。時間帯によっては丘陵地に 羊の群れを連れた羊飼いが通ったりするのでとても”絵”になります。とにかく見晴らしが良く、人が殆ど入ってこない場所なので、 村の全景を眺めながらのんびり過ごすのも贅沢な時間になります。そして、もうひとつは要塞教会の見張り台。実は教会最上部にはかつて攻めてくる敵を見つける為の見張り台があり、そこへ上る事も出来ます。そこからは ビスクリ村や周辺の景色を眺めることが出来き、ここからも絶景が楽しめます。要塞教会を訪れたら是非ここまで上って絶景を楽しみましょう!
ビスクリ村は牧畜業が盛んですが、 村には鍛冶屋もあり製鉄を営む職人がいます。その殆どがジプシー族で、ビスクリ村の外れに集落があります。その中の一軒の鍛冶屋では村を訪れた観光客にも製鉄のデモンストレーションをしてくれます。まるでスーパーマリオブラザーズに出てくる ルイージそっくりなので通称ルイージさん!そんな彼が鉄を溶かすところから始まり、打ち付けて鉄を形作るところまで一連の流れを見せてくれます。また、彼の奥さんが羊毛を材料にしたで靴を作っていて、カラフルな靴が並ぶ即席販売所もあります。 ジプシー族の生活文化を垣間見れるのも興味深い体験です。
ここビスクリ村の唯一のアクティビティとして馬車があります。馬車と言っても観光地にあるそれではなく、村人が農作業で使う馬車に板1枚の椅子を載せただけの即席馬車ですが素朴なビスクリ村にはその方が似合います。馬車は約45分ほどの行程で丘陵地の丘の上にいる羊飼いの家を目指します。村の中を通った馬車はその後一面緑の丘陵地を走ります。ここからの眺めが素晴らしく、緑豊な牧草地とビスクリ村の全景が眺められます。上記で紹介した2つの絶景スポットとはまた違った角度からの眺めになります。丘陵地をいくつか越えた後、羊飼いの家に到着します。タイミングが合えばチーズ作りや羊追いなどを見ることが出来ます。馬車も良いのですが、ハイキングで同じルートをのんびり歩くのもとても面白いと思います
このビスクリ村はあの 英国王室のチャールズ国王(購入時は皇太子時代)が購入した別荘があることでも有名です。素朴で美しいビスクリ村を気にいったチャールズ国王は18世紀に建てられた伝統的な家屋をそのまま買い取り、ほぼ毎年のようにお忍びで来村されては静かな田舎生活を楽しんでいるということです。世界的に有名なセレブリティの別荘だけにさぞかし目立つのかと思いきや、 他の民家と普通に軒を並べていて、言われなければ外観からは全く分かりません。でも、そのひっそりとあるところがチャールズ国王も気に入ったのでしょうね。ちなみに、この別荘、チャールズ国王が滞在中以外は一般客も宿泊できちゃうそうです!風の旅行社としては別の宿をおススメしますが、ご興味がある人はこの「カサ・チャールズ(チャールズの家)」にもぜひ!
村での宿泊施設と言ってもここビスクリ村には 素敵なペンションがあります。その名も「ビスクリ125」。住所の125番地がそのまま名前になっています(笑)。名前は単純ですが、宿自体はとても素敵です。 建物は村の伝統的な造りで出来ていて、各部屋も伝統を活かしたシンプルだけどきれいな雰囲気、 全く同じ部屋は存在せず、個性的な部屋になっています。ペンションと言ってもバストイレ付き、暖房も完備でお湯も出るのでとても快適。そして 食事もとても美味しいと評判で、地産地消をモットーに自家製菜園で採れた野菜や地元のミルクや肉を使っての自家製チーズやハムなどを提供してくれます。 特に朝食がとても素晴らしく、とても新鮮で美味しいパン、野菜、ハム類などついつい食べ過ぎてしまうほどです。風のルーマニアツアーでは ビスクリ村に宿泊する場合この「ビスクリ125」を優先的に利用しています。
※「ビスクリ125」が満室の場合は他のペンションになります。
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