添乗ツアー名 ●巡礼シーズンに訪れる 青蔵鉄道で行く冬のラサ7日間
2023年12月28日(木)~2024年1月3日(水)
文・写真 ● 中村昌文(東京本社)
添乗・出張を含めて通算21回目のチベットはコロナ後初めて4年ぶりの訪問。変わったと感じたこと、変わらないなーと感じたことをレポートします。
変わったこと➀ どこもかしこもバーコード&タッチ
近年、中国では「ALIPAY(支付宝)」や「WECHAT PAY(微信支付)」などのスマホのバーコード決済が全盛で、スーパーやコンビニはもちろんタクシー、小さな露店や屋台まで、社会の隅々まで浸透しています。現地の人に聞くと「もう財布は持ち歩きません」ということを言われて久しくなりましたが、これがもう1段階進んだようです。
お金の支払いだけでなく、駅や空港の乗車/搭乗手続きではICチップ入りの身分証明書をタッチして本人確認をすることが多く、中国の身分証を持たない外国人はいつも別対応。ジョカン寺、ポタラ宮、ノルブリンカでも係員も滅多に来ない外国人の対応に慣れないようで、入境許可証やパスポートをスマホで撮影したり、あちこち連絡をしてどうしたらいいか確認したりとてんやわんや。そんな我々の列にせっかちな中国人が割り込んできて、さらに混乱…。なんてこともありました。ゼロ・コロナ政策を続けた中国で大量の国内旅行客を捌くために発展したシステムなので、そのシステムにあぶれた外国人は置いてけぼりになった印象です。
私も買い物用にアリペイ「ALIPAY(支付宝)」のアプリを入れてみましたが、空港や大きなスーパー以外では、通信状況で使えなかったりと不具合が多く「最後はやっぱり現金ですね」という結論になりました。中国でもお年寄りや田舎の人でスマホを使えない方もまだまだ多いようで、現金をなくすところまでは行っていないようです。
変わったこと⓶宿泊施設が格段に改善
今回ラサで宿泊したタンカホテルは、旧市街の中心である大昭寺(ジョカン寺)のすぐ近くという最高のロケーションで、以前から利用してきたホテルの1つです。今回、泊まって驚いたのは、部屋の設備のグレードが以前よりずっとよくなっていることです。部屋の中はエアコンがしっかり効いていて暑すぎるくらい。念のために持ってきた小さな「湯たんぽ」は出番なしです。ただでさえ乾燥しているのにエアコンをかけると乾燥し過ぎる、というので部屋には加湿器が2台もありました(それでも乾燥で鼻の中が切れて大変でしたが…)。
さらに枕元には酸素供給口が! 正直「気休め」という気はしなくもないですが、いざとなればチューブをつけて酸素吸引をしながら眠ることもできるのは心理的な安心感があるのでしょう。コロナ中に国内旅行客が増えたことでサービスが改善されたようです。というのは国内旅行客はガイドなしでやってくるので高山病の対策も何もありません。頼れるものは酸素だけ、ということでホテル側も酸素を供給するようになったのでしょう。
(※注意:すべてのホテル、部屋に酸素供給があるわけではありません)
変わったこと⓷電気自動車が増えた
西寧や成都でも、車で走っていると緑のナンバープレートの電気自動車が随分と増えたな、と感じました。中国は国を挙げてEVを推し進めているので補助金などもありEV車が安いんだそうです。ラサは西寧に比べるとまだまだ少ない印象。充電設備の差でしょうか。ラサでもレンタルの電気スクーターを見かけました。
おまけ➀・ギネス掲載の「世界最大のタンカ」に加筆が!
青海省の西寧にある『チベット文化博物館』。今回は鉄道の乗車時間が夜になったので、時間調整も兼ねてギネスブックにも掲載されているという「世界最大のタンカ」を見に行きました。ながーいながーいタンカを急ぎ足で見学して、ようやく終わりか、と思ったその時。最後の最後にビックリするような1枚が加筆されていました。今の中国を象徴するような「忖度に満ちた」タンカでした。
それでもローカルな場所は変わらない
久しぶりに訪れたチベットでも変わらない場所もたくさんありました。特に地元の人々が集まる場所は変化が少ないようです。
青蔵鉄道の始発駅でもある西寧郊外にあるタール寺では、巡礼者たちが五体投地でお寺をコルラ(時計回りに巡礼すること)する姿が。全チベットの中心ともいえるジョカン寺(大昭寺)の前でも、五体投地をする大勢の巡礼者。地元民の祈りの場であるラサのサンゲ・ドゥングでは五体投地を繰り返す巡礼者や、ラサの街の循環路「リンコル」を歩く人々の姿が変わらずありました。
以前からフリータイムにお客様をお連れする、インドのチャイのような甘いミルクティ(チャガモ)の茶館には相変わらず地元民が集まり、噂話に花が咲いていました。そしてチャガモは相変わらず優しい甘さでホッと一息つきます。そして、ここは今でも現金商売。物珍しそうに我々に声をかけてくる地元の人々の人懐っこさも変りません。
更にいえば、真っ青な空の下に輝く真っ白なポタラ宮も「冬ならでは」の美しさを見せてくれました。大都会のラサからは感じられないチベット高原とヒマラヤ山脈の壮大さは、鉄道の車窓、カンパラ峠とヤムドク湖畔で堪能できました。近代化は進んでも、変わらずに人々を魅了する風景がそこにはありました。
おまけ⓶ 風の名物「ロージャーモウ」
帰路、新しくなったラサの空港近くで食べた昼食は、風の名物と言っても過言ではない「ロージャーモウ」!過去に風の旅行社のチベットツアーに参加した方にはおなじみと言ってもいいでしょう。中国語では「肉夹馍」と書き、チベット料理ではなく陝西省の西安の名物料理です。ホロホロに崩れるくらい煮込んだ豚肉の細切りを、カリっと焼いた固めのマフィンの様なバンズに切り込みを入れて挟んだもの。
私がチベットラサの夏の短期駐在をしていた2004年頃にはすでにラサ空港の周辺にロージャーモウ屋が軒を連ねていました。当時は道路事情が悪く、ラサ市内から空港まで車で2時間もかかりました。そのため、成都から朝一のフライトで到着するお客様の出迎えのため、朝食抜きで空港にやってくるガイドや運転手たちの朝食としてこのロージャーモウは大人気でした。その後、ラサから午後の便で出発するお客様のランチとして利用したところお客様に大うけ。風のチベットの定番料理となったのです。
店は大きくなり、清潔になりましたが味は相変わらず。西安料理なのになぜか風のスタッフやチベットリピーターたちは「チベットに来たー」と思う味なのでした。この味も以前と変わらず「シェンブドゥ!」(チベット語でおいしい!)なのでした。
ツアーの写真はこちら!
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巡礼シーズンに訪れる聖なる都
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2024/12/30(月) | ¥488,000 | 大阪(関西空港) | 好評につき追加設定 ★間もなく添乗員同行 ビザ不要になりました! |
2025/01/09(木) | ¥455,000 | 東京(成田または羽田) | 大阪発はお問合せください |