添乗報告記●青蔵鉄道で行く 遙かなる聖都ラサ8日間 (2025年9月)

ツアー名: 青蔵鉄道で行く 遥かなる聖都ラサ8日間
旅行期間: 2025年9月17日(水)~9月24日(水)
文・写真: 立花誠(東京本社)

西寧空港で出迎えてくれるかわいい「ユキヒョウ」

西寧空港で出迎えてくれるかわいい「ユキヒョウ」

昨年に続き、青蔵鉄道で行くチベットへ…

1年と3カ月ぶりに「青蔵鉄道で行く遥かなる聖都ラサ」のツアーに行ってきました。今回のお客様はご家族が2組4名様、そして単独でお申し込みくださった4名様の、合計8名様のご参加で催行となりました。

初日は、羽田空港から北京経由で青蔵鉄道に乗車する西寧に夜、到着しました。今年から西寧のマスコットはユキヒョウになり、西寧空港ではかわいいユキヒョウがお出迎えしてくれました。

🍽️チベット・ツアーで出会った「食べ物」たち

「風の旅行社のチベットツアーではどんなものが食べられるの?」気になるところだと思います。魅力ある観光地もさることながら、やはり食べることは大切なポイントのひとつですよね。

私が風の旅行社を一度退職する前、青蔵鉄道がラサまで開通していなかった1998年の夏、1999年の夏にも添乗員としてチベットに行ったことがあります。当時のチベットの食事は、お世辞にもおいしいという感じではありませんでした。味覚は人それぞれ個人差がありますが、お客様の中には「観光はとても楽しいけど、その後のごはん、あんまりたのしみじゃない」おっしゃられる方もいらっしゃいました。しかし、昨年、久々にチベット・ツアーを添乗し、チベットのごはんが格段においしくなっていることに驚愕しました。

前置きが長くなりましたが、今回のツアーで出会った食べ物をご紹介します。実は、西寧ではイスラム料理、チベットではチベット料理はもちろん、ネパール料理や中国料理。このツアーでは美味しいだけでなくバラエティゆたかな食事が楽しめるのです。

西寧の夜市 ~チベットで出会うイスラム料理~

西寧の夜市を散策

西寧の夜市を散策

チベット・ラサへ向かう青蔵鉄道に乗車する西寧で、夜市を見物する機会がありました。チベット文化圏の東北部アムド地方に位置し回族などイスラム教徒も多い西寧。西寧の夜市ではイスラム風に、白い帽子を載せた男性や、スカーフを巻いた女性が様々なものを売っていました。

帽子とスカーフはイスラム教徒

帽子とスカーフはイスラム教徒

市場の精肉コーナーに行くと、とにかくヤク肉だらけ(ヤクとはチベットなど高地に棲む長毛の牛)。肉屋さんではヤクの肉が吊るされていました。みんなキロ単位で買っていくそうです。ヤクは干し肉にしたり、そのまま調理したり、西寧やチベットでは一般的なお肉です。とくにチベット自治区に入ると、いやというほどお世話になります。アムド地方にはチベットでも有数の大草原が広がり多くのヤクや羊などの家畜が放牧されているのです。

肉屋さんの店頭にヤクの剥製が・・・

肉屋さんの店頭にヤクの剥製が・・・

細長い葡萄を見つけました。見た目は不思議ですが、味はデラウェアのよう。こののち、干しぶどうになった長い葡萄を、ラサの民家で食しました。

見た目は不思議でも味はOK

見た目は不思議でも味はOK

羊の頭は、大切なお客様が来た時に供されるそうです。

羊の頭の存在感がすごい

羊の頭の存在感がすごい

イスラム料理といえばシシカバブ(羊の串焼き)。この屋台もよく見かけます。

羊肉の串焼きのシシカバブ

羊肉の串焼きのシシカバブ

チベット文化圏の入り口でもあり、シルクロード世界の入り口でもある西寧のご飯は、イスラームの香りがしました。
香辛料のにおいや、行き交う人々、売り買いの喧騒。なんだか新疆ウイグル自治区あたりのバザールにでも迷い込んだかのような錯覚を覚えたひとときでした。

青蔵鉄道の中で 温かな中華料理を堪能

青蔵鉄道には食堂車があるので、チベットらしさは感じませんが熱々の中華料理が提供されます。食事時間には車内ワゴン販売でお弁当を売りに来ます。食堂車やお弁当にはどんな食事があるのか、ご紹介しましょう。

朝食(プレート+お粥)
朝食にはお粥や蒸しパン、野菜のおかずなどがプレートに乗って出てきます。野菜のおかずは、お粥に合う鹹味のきいたものです。

お粥、卵料理も付く、朝食セット

お粥、卵料理も付く、朝食セット

喫茶(八宝茶)
朝食と昼食の間、食堂車は喫茶店として営業します。めいめい好きなドリンクメニューを注文してみました。人気メニューは八宝茶。氷砂糖が入っていて、ドライフルーツをほぐしてお湯を注げば、甘くてフルーティー。お湯がなくなると継ぎ足してくれるので、1杯でもかなり楽しめます。

ほぼ全員が注文する八宝茶。これで2時間はおしゃべりできます。

ほぼ全員が注文した八宝茶。これで2時間はおしゃべりできます。

昼食(食堂車バージョン)
大皿料理を何品かと、ごはんとスープを頼むと食卓がにぎやかになり会話も弾みます。「これ、なに?」「おいしいですね~」そんな声が聞かれます。おいしい料理を食べ、会話を楽しみ、車窓から眺める景色もごちそうです。

昼食はおかずが数品とスープ、ごはんを取り分けて食べるスタイル。少人数だとプレートランチ風にもできます。

【昼食(お弁当バージョン)】
デパートの食品売り場などで見かける中華弁当のようなイメージ。食堂車が混んでいる場合などは、これを客室(コンパートメント)内で食べるということもあります。弁当は中が見えるので、中国語のメニューが読めなくても味は想像できます。

お弁当形式だとこうなります。

夕食
昼食は大皿料理でしたが、夕食は個食のプレートディナーでした。
お客様から「立花さんは中国料理で何が好き?」と聞かれましたので、すかさず「客家の人が食べている酸味のある漬物と豚バラの煮込み(梅菜扣肉=メイツァイコウロウ)です」と答えました。するとなんと、その梅菜扣肉が夕食に出てきたのです! この料理は、戦乱を避けて南下して定住した客家の人たちの料理です。

土楼に暮らすイメージの客家の人たちがこよなく愛する梅菜扣肉は右下

右下にあるのが、土楼に暮らすイメージの客家の人たちがこよなく愛する梅菜扣肉

青蔵鉄道内は、食堂車で食べた朝食も昼食も夕食も、そして車内販売のたべものも、中国一色でした。車内で食べる料理は、街のツーリスト向けレストランで出される料理と同じクオリティを感じます。食べ過ぎないよう、ご用心。基本的に、食べて~座って~食べての繰り返しになるので、適度に車内を歩いて運動しましょう。

ラサでチベット料理を堪能する

🍽️茶館でいただくチベットB級グルメ

長いテーブルと背もたれのない椅子が特徴

長いテーブルと背もたれのない椅子が特徴

ラサ滞在中、茶館(お茶屋さんだが、食事もできる)で昼食を頂きました。こぎれいな茶館で、料理はヤクの骨で出汁を取った麺料理の「トゥクパ」、ヤク肉とじゃがいもの煮込み「シャムデ」、餃子のような「モモ」を頂きました。ピンクのたべものは「ラブ」と言い、大根の漬物です。日本の「すぐき」に似ているという声があがりました。

これぞチベット定食!

これぞチベット定食!


お茶はチベット人がこよなく愛する甘いお茶(甜茶=チャンガーモまたはチャガモ)を楽しみました。
茶館の記事はこちらをご覧ください。

チベット宮廷料理いただく

ギャコック

ぐつぐついってきたら食べどき。おいしそう

ぐつぐついってきたら食べどき。おいしそう

鍋料理「ギャコック」は、、もとはチベットの宮廷料理とも言われています。ヤク肉をベースに、野菜を煮込んで、ごはんか麺で食べます。火鍋に似ていますが、スープやソースはカスタマイズしません。
茶館では、チベットの大衆料理、たとえばトゥクパ、モモ、シャムデといった人気メニューに舌鼓を打ちましょう。
民家では、チベットの家庭料理が出てきます。レストランではお目にかかれないような野菜とヤク肉中心の素朴な料理に出会えます。
チベット料理は、意外と日本人の味覚に合います。同じ料理でも、いろいろな場所で食べ比べてみたくなります。チベット料理は、おいしくて栄養価も高く、体も温まります。

レストランからの眺めもごちそうでした。

レストランからの眺めもごちそうでした。

チベットの民家でバター茶も

ガイドのさくらさんがバター茶を淹れてくれました

ガイドのさくらさんがバター茶を淹れてくれました


ツアー中、ラサの民家を訪ねて、お茶と食事を頂きました。民家では、まずバター茶とお茶うけが出ます。

お茶うけ➀チュラ
ヤク・ミルクの乾燥チーズ。(ヤクは雄牛で、雌牛はディというので正確にはディのミルク)
栄養価が高く、滋養にもよいそうです。甘くない飴のような感じ。乾燥させて非常に硬くなっているので、いったんほおばると、しばらくは他の物を口に入れられないくらい、柔らかくなるまで時間がかかります。

お茶うけ➀チュラ(ヤク/ディの乾燥チーズ)

チュラ(ヤクの乾燥チーズ)

お茶うけ➁干しぶどう
長い葡萄を干した干しぶどうが珍しいですね。味はふつうにおいしい干しぶどう。

お茶うけ➁干しぶどう

お茶うけ➁干しぶどう

料理が出てくるまでの間、おうちの中を見せてもらいました。立派な仏間がありました。煌びやかな仏様が祀られていました。

チベット人の家庭には立派な仏間があります。

チベット人の家庭には立派な仏間があります。

そしてチベットの家庭料理が出てきました。珍しくておいしい料理が次から次へと出てきて、「腹八分目」がどこまで守れるやら。手前はバター茶。おやつをアテに飲むとお茶、料理をアテに飲むとスープみたい?

チベット家庭料理の数々。

チベット家庭料理の数々。

スープが来ました。野菜とお肉がたっぷり入ったスープは、ごはんを入れるとおいしい。

ヤクの肉と大根のスープ。ごはんを入れるとおいしい

ヤクの肉と大根のスープ。ごはんを入れるとおいしい

食事が終わったら、チベットの民族衣装を着て、記念撮影。ちょっとだけチベット人になって、それが思い出に花を添えます。

チベットの民族衣装を借りて撮影大会

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チベットにはおいしいものがたくさんあります。安心して、お腹八分目、食べてください。

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